第六十九篇 テーマ「前屈」 ジャンル「医療ミステリー」
ある日、都内の某病院での手術中に、謎の異常事態が発生した。
手術が進められる中、患者が急激に前屈した状態になり、これ以上操作ができなくなってしまったのだ。
「どうしてこんなことが起こるんだ…」
担当医師の山田は、困惑を隠せなかった。
だが、この事態に対する迅速な判断は必要不可欠だ。
山田は状態が安定するまで待つことにした。
しかし、その後の検査では異常は見つからず、翌日には患者は退院することができた。
しかし、山田はこの事態に気になる点があった。
何故、患者は前屈してしまったのか。
手術中に異常を起こすこと自体は医療ミスの一つとして扱われることがあるが、この異常事態はその範疇には入らない。
山田は、この事態を解決するため、独自に調査を進めることにした。
それから数日後、山田は驚くべき事実を発見した。
自身の看護師が覗き見をしていたことだった。
その看護師は、一部の手術室に複数のカメラを設置していた。
そして、手術中にそれを視聴しており、手術の状態を見ていたそうだ。
山田は、彼女を問い詰めることにした。
しかし、彼女は「あなたが前屈をさせたんじゃないですか」と、逆に弾劾するような発言をしてきた。
山田は愕然とするしかなかった。
自分が前屈をさせたとはどういう意味だろうか。
やがて、謎が解けた。
患者は、手術台の上で全力で前屈を行ったため、ある筋肉が痙攣してしまい、その後も前屈の状態が続いたのだという。
実際に、手術台の上で前屈をすると、背骨に大きな負担がかかってしまう。
これが原因で、筋肉が痙攣し、前屈が継続することになったのだ。
山田は、この事実を覆すため、手術スタッフに対して、手術時の態勢について再確認を行うように指示した。
そして、これ以上の異常事態が起こらないように、再発防止策を練ることになったのであった。
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