第二十七篇 テーマ「雨」 ジャンル「SF」
プラドワックス星の一夜の雨によって、人々の生活は、大きく変わってしまった。
彼等、プラドワックス星の住民は、水の激しい旱魃に苦しみ、干ばつに悩まされ続けていた。
夜には、噴水や池、そして水道からも水が出なくなり、人々は口渇いて、息も苦しくなった。
ある日、地球の探査団が、プラドワックス星へやってきた。
これは、滅びの危機に瀕したプラドワックス星への人道的支援のためだった。
しかし、人々は、その星に関心を持ちすらしなかった。
だが、ひとり、探査団の中にいた女性科学者、キャスリンは、プラドワックス星の異常な気象の変化に気づいた。
日中の気温が高く、水が少なくなる現象は、普通の現象ではなかった。
そして、ある日、深夜、キャスリンの視界に、異様な物体が突如浮かんでいるのを目撃した。
それは、巨大な雲の塊のようだったが、色が違い、何かが充満していた。
夜が明ける前に、その雲が、いつしか、プラドワックス星全体に広がっていった。
そして、不思議なことに、一夜の間に、雨が降りだし、人々の暮らしを変えた。
キャスリンは、その現象を研究することに必死になった。
彼女は、その雲に宿った生命体が、プラドワックス星に適合したものであることを発見した。
次の日、人々は、大喜びして、噴水や池、そして水道から、水が出始めた。
しかし、副作用で、それ以前の水質が劣化し、飲用禁止をうけるようになった。
そして、キャスリンの研究により、その雨が、いずれ再び、降りせめることはないことが判明した。
そして、プラドワックス星は、人々にとっては、恩師の星として、人々の救いとなった。
だが、異常気象の変化についての研究は、まだ始まったばかりだった。
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