第二十四篇 テーマ「卒業式」ジャンル「現代ドラマ」
卒業式
私たちが高校生活の集大成として迎えた卒業式は、晴天に恵まれた美しい日となった。
教室に向かうと、そこには同級生たちの笑顔が溢れていた。
アイドルグループの楽曲が響き渡る中、卒業式に相応しいファッションを身に纏い、私たちは一つひとつ、大切な思い出の場所を巡っていった。
制服から普段着に着替えただけなのに、なぜか意義深い気がした。
そしていよいよ式典が始まった。
舞台には、挨拶の先生や卒業証書を手渡す校長先生、さらには在校生の演奏や歌唱の場も設けられ、感動と興奮が共に溢れた。
特に、大切な人から贈られた花束を手に取り、照れくさそうに笑う友人たちが、とても微笑ましい光景だった。
一瞬、今まで過ごした時間がより一層愛おしく思えた。
私も、忘れられない思い出を刻み込んでいくべく、身を乗り出し、先生や友人たちの話に真剣に耳を傾けた。
そこには様々な言葉があった。
心に残る言葉や辛い思い出、恋愛にまつわるエピソードなど、私たちは丸ごと全てを共有してきた仲間だった。
そんな幸せな中、妙な雰囲気を感じる。
先輩たちから、卒業後もまた集まる私たち、同窓会が始まるという話を聞いたのだが、どうしてか胸が苦くなる。
新しい友達や環境が大量に増えた初めの頃は気にならなかった、でも最近よく考えるようになった。
卒業式で在校生が演奏するうたいかける曲を思い出して、胸がきゅーと締め付けられる。
もし、思いっきり涙すればよかったと今更後悔する。
そんなことを考えていると、ひとつのスピーチに耳を奪われた。
それは、同じ後輩だった大学生が行ったスピーチだった。
彼は私達に向け、「卒業は決して終わりではない」と言いました。
そうか、ほんとうにそうかもしれない。
卒業はただの別れでもあるけど、同時に新しい出会いや刺激を与える、かけがえのないスタートだということ。
そう思うと、私は自分の不安と向き合うことができた。
自分を見失ったくらいだからこそ、新しい友情や習慣を見つけ、成長していくことができるだろう。
新たな未来に向けて、私は今まで以上に強く生きていくことができる。
卒業式は、感動と別れと新たな出発が同時に織り成す。
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