第十五篇 テーマ「私だけのヒーロー」 ジャンル「ミステリー」

 私は小学校時代からヒーローに憧れていた。

 特に、私にとってのヒーローは、私にもできそうなことをしている人たちだった。

 彼らは、普通の人でもできることをして、周りを助けている。

 私も、彼らのようにヒーローになりたかった。


 そんなある日、私は街で事件を目撃した。

 夜道を歩いていた私は、悲鳴とともに走ってくる女性を見かけた。

 彼女が連れていた犬が、ある男に襲われていたのだ。

 私は男を追いかけ、通報した。

 警察が来るまで、私は女性と犬を助けるために必死になっていた。


 犯人は逮捕され、女性も犬も無事だった。

 私は、周りからヒーローと呼ばれ、その日は誇らしく過ごした。

 しかし、その後、私を待ち受けていたのは予期せぬ事件だった。


 警察が見つけた犯人は、すでに刑務所にいた人物だった。

 同じ手口で何度も犯罪を繰り返していたらしい。

 私が目撃した時も、同じ犯罪を行おうとしていたのだ。

 しかし、一つ違うのは、彼には、私に対する執着があったことだった。


 数日後、私は自分の部屋に戻ってきた時、何者かによって荷物が荒らされていた。

 そして、紙切れが落ちていた。

 それには、私への恨みや執着が書かれていた。

 私は怖くなり、警察に掛け合ったが、彼らは証拠がないと言う。


 それからというもの、私は自分を守るために腕時計型の防犯ブレスレットを買った。

 それは、緊急時には255文字のメッセージを、宣言された人々に送ることができるものだった。

 それを手首に付けて、私は自分を守り続けた。


 そして、ある日、私は夜道を歩いていた。

 目の前には、前回事件があった場所があった。

 私は懐中電灯を手に、怖くなることなく歩いていた。

 すると、急に闇の中から誰かが走ってきた。

 私は腕時計型のブレスレットを使って警察に連絡を取り、犯人を止めた。


 私には、危機に陥った時に救える「私だけのヒーロー」がいた。

 自分を守れる自信があるからこそ、私は周りの人たちにも助けを求められる存在になったのだ。

 私には、ヒーローになるのは難しいかもしれないが、自分を守り、周りを助けることは出来るのだということを知った。

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