第十三篇 テーマ「焼き鳥が登場する物語」ジャンル「現代ドラマ」

「焼き鳥屋さんと恋した日々」


 私は都内のIT企業で働く20代のOL。

 会社帰りに、たまに立ち寄る焼き鳥屋があった。


 その店の名は「鳥瞳」。

 入口には鳥の眼を模した大きな看板があり、その奥にはカウンター席が10席ほどあった。


 初めてその店に足を踏み入れた時、私は彼と出会った。

 髪の毛が短く、半袖のシャツに五分丈のズボン姿の彼は、焼き鳥を串から取っていた。

 そのどれをとっても、とても美味しそうに見えた。


 しばらくその店を訪れるたびに、私は彼の美味しい焼き鳥を食べるのを楽しみにしていた。


 ある日、私は焼き鳥屋に行ったら彼がいなかった。

 代わりに店員さんがいたが、彼の美味しさにはかなわなかった。

 やっぱり彼の手で焼かれた焼き鳥が一番だと思った。


 それからしばらく店に行かなかったが、久しぶりに足を運ぶと、再び彼に会った。


「お久しぶりです。いつもの定番ですか?」と彼は聞いてきた。


 私は、焼き鳥を注文した。


「おいしいですね。なにか秘密があるんですか?」と私は尋ねた。


 彼はにっこり笑いながら、「肉にはしっかりと味が染み込んでいるのと、火加減がポイントです。」と答え、日々研究を重ねていると話した。


 その後、私は彼とそこで話すことが多くなった。

 焼き鳥の話から、私たちは趣味や好きなことについて話するようになった。


 やがて、彼と私は付き合うようになった。


 ある日、彼が私の家に来て、彼の焼き鳥を一緒に作ることになった。

 彼は手際よく、私は彼が作る焼き鳥を食べながら幸せだと感じた。


 そんな彼が、「この店は、もうすぐ閉店します」と言った。


 私は心底驚いたが、その理由を聞いたら、彼に独立するためだった。


 そして、彼は「自分でお店を開きたい」と言ったのだ。


 私は、彼とともに働くことを決めた。


 彼と一緒に仕事をすることは決して楽なことではなかったが、私たちはたくましく前に進んでいった。

 彼が作る焼き鳥に人々は魅了され、私たちのお店「鳥味」として、地元で評判となった。


 私たちは、夢を追いかけるために努力し続けることが大切だと思うようになった。

 そして、彼と共に笑顔で食事を分かち合うことが、人生で最も大切なことだと思った。

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