第22話 陳親子、呂布と陳宮を多いに計略で嵌める

 呂布は袁術に使者を送った。


 しかし、袁術は民が相次いで餓死したために国力が低下し、多くの見返りを欲望のままに求めてくる。


 この強欲な要求に呂布は激怒した。


「おのれ袁術め!! 足元を見おってからに!!」


 この要求に陳宮は全てを察した。


「最早、袁術に力はないのでしょうね。これで、2つの道ができました。一つは曹操を一気に攻めることと、逆に引き返して袁術を滅ぼすこと、袁術を滅ぼせば劉表と同名を結ぶこと、或いは、小覇王・孫策と同名を結ぶかですな………」


 この頃、袁術が皇帝を名乗り、孫策は義によって独立した。


 今、袁術を見限って裏切る輩は多い。


 しかし、呂布は引き返すことを知らなかった。


 ここで陳宮の話に耳を傾けていれば、袁術軍を滅ぼすのは容易かっただろう。


 陳宮はそう思った。


「そんなことは決まっているだろ!! 曹操を討伐して再び天子を助ける!! これ以外の道を選んで何が天下無双だ!!」


 だが、引き返せば陳珪は呂布を城に入れないつもりで居た。


 結果的だが、呂布の選んだ道は正しかった。


「夏侯惇は重症を追いました。完治することはないでしょう。夏侯惇は気が荒く、傲慢な男、金持ちになれば金をばらまく輩です。彼を嫌うものは多いでしょう。」


 陳宮の言う通り、夏侯惇は気性が荒く、盲夏侯と皆から呼ばれてしまい。


 夏侯惇はそれを嫌って鏡を見ては八つ当たりしていた。


 金を沢山稼げば部下に大金を渡していた。


 それはどこかの格闘家もやることで、大金を持てば部下にたくさん配った気でいる馬鹿の勘違いである。


 身の丈に合わない金を持てば金は腐る。


 そして、正しき者が金を持たねば金は欲望のままに使われる。


 『周りに配ってるから良いでしょ?』と考えるのは二流である。


 金を正しく使うものはエコな資源を開発したり、世のため人のために使う。


 無能が一度金を持てば、私利私欲の中で金が回る。


 そうなれば、周囲の物資を己が肥えるためだけに使われてしまい。


 何も発展はしない。


 まるで、大正、明治、昭和の心配を平成になっても老害たちが繰り返すようなものであった。


「確かに、やつは気性が荒く、傲慢だ。寝返る者も多かろう。今すぐにでも見つけ出して一網打尽にしてやりたいが、しかし、この城には兵糧も少ない。兵士たちにたらふく食わせて明日、即座に攻撃する!! だが、城を守るやつも必要だ。陳宮、お主に任せるぞ………俺は主力を率いて曹操を一気に攻める!!」


 陳宮が言う。


「その意気です。曹操の城をもう一度全て奪ってやりましょう!!」


 呂布が明日に成れば曹操に決死の覚悟で総攻撃を仕掛ける。


 この頃、曹操軍は典韋を含めた将軍多数を失っており、更には夏侯惇も目を負傷してしまった。


 劉備も夏侯惇の退却で城を失い、曹操軍は無防備な状態でもあった。


 だが、ここで陳登が多いに才を発揮する。


 陳登は夜に劉備の間者と出会っていた。


「呂布は明日、曹操軍を死にもぐるいで攻めるつもりだ。だが、私に一計がある。」


 陳登は劉備の間者に全てを話すと間者は陳登の策に感動した。


「分かりました。では、早速、劉備様と夏侯惇将軍にお伝えしまう。ご武運を!!」


 間者が向かえば陳登はさっそく計略に取り掛かった。


「間者によれば夏侯惇将軍は北の山に身を隠しているとのこと、ふふふ………」


 陳登は急いで呂布のもとへと向かった。


「陳登、こんな夜更けになんのようだ?」


 呂布は機嫌が悪い時でも陳登と陳珪には敬意を払った。


 陳登は喜んで報告する。


「呂布将軍、朗報です。夏侯惇将軍の居場所がわかりました。」


 それを聞いた呂布は多いに喜んで起き上がる。


「大手柄だぞ陳登!! して、夏侯惇はどっちに向かったのだ?」


 陳登は答えた。


「はい、北の山に伏しております。今、夜襲をかければ大勝利間違いなしでしょう。」


 陳登は正直に夏侯惇の居場所を報告した。


 しかし、これは陳登の罠であった。


「こうしてはおれん!! 早速夜襲を掛けるぞ!! 陳宮!! 私は今から夏侯惇を打つ!! 留守は任せたからな!!」


 陳宮は不穏に思い、陳登に一人監視を付けた。


 監視を付けられた陳登は既に予測していたのか、陳登の仕事はこの時点でほとんど終わっている。


「行くぞ!! 陳登!!」


 呂布に同行する陳登、そして、陳登を見張る男、しかし、呂布が攻めた山には夏侯惇の陣営が確かに存在した。


「夏侯惇!! その首貰いに来たぞ!!」


 呂布が突撃をかければ曹操軍は戦わずして蜘蛛の子を散らすようにして逃げていった。


 その頃、劉備の間者が大慌てして帰ってくる。


「た、大変だ!! 陳登の奴が裏切って呂布将軍が夏侯惇と劉備に挟み撃ちされている!! このままでは呂布将軍が危ない!!」


 それを聞いた陳宮は激怒して言う。


「おのれ!! やはり、陳登、陳珪は裏切っておったか!!」


 陳宮は陳親子に疑惑を深めていたために、呂布が陳親子を大優遇するため遺憾であった。


 陳宮は鬱憤をはらさんばかりに焦ってしまう。


 この時、陳宮は冷静ではなかった。


 これで陳登の計略は完成する。


「はっはっはっはっは!! 呂布、この夏侯惇が自分の居場所をただで教えると思っていたのか? お前は曹操様の策に嵌ったのだ!!」


 呂布は突然現れた夏侯惇と劉備に驚く。


「な、何だと!!?」


 続いて、劉備が言う。


「もうすぐ曹操の主力部隊が到着する。貴様もこれまでだ!!」


 ここで陳登が口を開く。


「呂布将軍、どうやら罠に落ちたみたいです。曹操は背後を狙ってくるでしょう。しかし、城も不安です。ここはこの陳登にお任せください。必ず、落ち延びてみせます。」


 そう言うと陳登が劉備軍と夏侯惇軍に攻撃を仕掛ける。


「陳登!!? くッ!!? すまぬ!! 必ず落ち延びるのだぞ!!」


 呂布は陳登に感謝して撤退していく。


 呂布の姿が見えなくなってから陳登、劉備、夏侯惇が笑って言い合う。


「呂布はお主のことを相当信用していると見えるぞ!!」


 呂布軍が撤退していくと目の前から勢いに乗った軍勢がやってくる。


「どうやら曹操軍のお出ましのようだな。このまま突っ込むぞ!!」


 呂布軍を目の前にした陳宮が曹操軍と勘違いする。


「深夜にてよく見えぬ。しかし、今は呂布将軍を助けなければならない。曹操軍の回し者か!! 皆の者!! 突撃~~~!!!」


 双方、勘違いして同士討ちする。


 大混戦の中、呂布と陳宮が槍を交わし合うとようやくして気が付く。


「お、お主は陳宮!!? なぜここに!!?」


 陳宮も驚いて言う。


「呂布将軍!!? いえ、曹操軍に包囲されて危篤の状況と!!」


 呂布は言う。


「なに!!? では、これは曹操の罠ではなく………陳登の罠だったのか!!?」


 陳登は呂布と陳宮の中を裂くことができなかった。


 故に、陳宮から買った恨みを利用したのである。


 陳登の計略はまんまと当たり、曹操と袁術がなせなかった離間の計を同士討ちとして成功させたのである。


「おのれ、陳登め!! 陳宮!! 急いで城へ戻るぞ!!」


 城に戻ると呂布が開門を命じる。


 しかし、門は一向に開かなかった。


「おい、どうした!! なぜ門を開かぬ!! ………ま、まさか!!?」


 そのまさかであった。


 城壁からは関羽が顔を出したのである。


「呂布、城は返してもらったぞ!! そこで、ゆっくり待つが良い。もうすぐ曹操軍がやってきて貴様を猛攻撃してくれる!!」


 それを聞いた呂布は多いに驚いて徐州城の城へと引き返していく。


 しかし、そこには留守を任された陳珪が既に寝返っていた。


 止む無く小沛城へと撤退する。


「これで要約落ち着ける。開門!!」


 しかし、小沛の門も開かない。


「ど、どうした!!? ま、まさか!!?」


 顔を出したのは張飛であった。


「はっはっはっはっは、そのまさかだぜ!! 赤い馬の宿無したぁ~好い気味だな!!」


 呂布は派を食いしばって聞いた。


「ここには高順が守備していたはず!! なぜ、貴様がいる!!」


 張飛は今までの鬱憤を晴らさんばかりに言った。


「あれ? 天下の豪傑と言われたこそ泥呂布もずる賢さではこの男に負けるのかな?」


 張飛がそう言うと顔を表したのが『陳登』だった。


 陳登は呂布が危ないと高順に援軍を求めたのである。


 高順は義によって呂布を助けるために援軍に向かった。


 しかし、呂布の姿がどこにもないために丁度、小沛の城へと戻ってきたのである。


「呂布将軍!!? それに陳登!!? これはどういう状況か!!?」


 呂布は矢を向けられる中で方天画戟を握りしめる。


「ぐぬぬぬぬ!! おのれ陳登と張飛め!! こうなったら貴様の首をここで切り落としてくれるわ!!」


 呂布の血が頭に上ると陳宮が言う。


「いけません!! 我軍は同士討ちにより被害は甚大!! 曹操軍も迫ってきていることは明白!! ここは下邳城まで撤退すべきかと………」


 呂布軍は陳宮に従い下邳城まで退却した。


 曹操、劉備軍の大勝利である。


 陳登の計略に劉備は陳登をこう称える。


「文武と胆志を兼ね備えており、彼に匹敵する者を見つけることは難しい………彼が居れば呂布もしっぽを巻いて逃げ出す………」


 しかし、陳登の計略はこれで終わらなかった。


 歴史が語らなかった陳登の計略、あの郭嘉を超えた計略がついに次回明かされることとなる。







ーーーーーーーーーーーーー


 どうも、三国志レモン版へ………


 世間では、郭嘉だの劉備が悪だの諸葛孔明が無能だのとおっしゃっている腐れ儒者がいるみたいですが、なぜそうなっていったのか、正直、日本人が無能で歴史を見ても計略を用いる話が全くありませんよね。


 なぜ、そんなしょぼい歴史の中で三国志の世界に無能な腐れ儒者が口を挟むのかさっぱりわかりません。


 曹操が天才?


 天子を利用し、他人の忠誠心を利用した悪魔という方がしっくり来るでしょう。


 他人の忠誠心を利用して一滅んだ魏、そこまでして滅ぶのはまるで今の日本政治家がーーーーーーーされるみたいですね。


 字は伏せておきます。


 無能な日本人にはこの伏せ字を読み取ることはできないでしょう。


 それくらい知能が無いのですからね。


 それはさておき、三国志といえば横山さんが有名ですよね。


 アニメ版の横山三国志では呂布が陳宮裏切りの知らせを聞きましたが、途中でそのことを忘れています。


 なので、私は夏侯惇の負傷を多いに利用して策を練りました。


 これぞ、拖刀の計ならぬ拖惇の計………


 拖刀の計を詳しく知りたい人はクリスタルバスケを見ていってね!!


 私の書いた小説一覧にあるよ!!


 では、次回も日本の腐れ儒者を叩いていきますか………

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