第20話 陳珪、袁術を敗走させ、上機嫌の呂布に土産話も用意する陳登。

 陳登は陳珪の計略を確実なものにするために曹操の下に身を寄せている劉備の所へと立ち寄っていた。


 陳珪は袁術を一網打尽にするつもりであった。


「なるほど、陳登殿の話、この劉備が援軍を送りましょう。成功すれば袁術は大打撃を受けることになりますな。」


 劉備は陳珪のために援軍を約束する。


「俺に500の騎兵をくれ!! 袁術なんざそれで十分だ!!」


 張飛が劉備に志願する。


 しかし、劉備は断った。


「張飛では呂布の首まで取りかねん。ここは関羽に行ってもらおう。」


 それを聞いた関羽は青龍偃月刀を手に取る。


「そういうことだ。張飛、兄が手本を見せてやる。」


 張飛はそれを聞いて一言言う。


「フン!! 呂布の野郎も討ち取ったほうが手っ取り早いのによ!!」


 関羽が陳登と向かう頃、陳珪は子牛を引き連れて戦場のど真ん中を一人で歩いていた。


 その風貌に皆が近寄らず、陳珪は袁術軍を野原のごとく散歩すた。


 袁術軍内部を歩き回り、調べているうち日は落ちてしまった。


 夜になれば目的の陣へと向かう。


 袁術軍が暗がりから現れる物陰に身構える。


「何者だ!!?」


 暗がりから陳珪が姿を表すと袁術軍は安堵する。


「老人? ここは袁術軍第6陣営だ。危ないからここから離れると良い………」


 陳珪は袁術軍の見張りたちに要求する。


「儂は徐州の者じゃ………徐州の有益な情報を持ってきた。」


 それを見た袁術軍は陳珪だと知り驚いた。


「陳珪殿!!? 袁術様から目をかけられているあの!!? これは失礼した。ささ、どうぞこちらへ………」


 この時、呂布の城が一瞬で落ちない理由、それは陳珪と袁術の仲にある。


 袁術は皇帝を名乗り独立状態となっている。


 故に、徐州の陳珪を引き抜いて徐州を攻略しようと目論んだり、呂布を引き入れようと画策したりしていたのである。


 袁術軍は陳珪が呂布を見限ったのではないかと考えたのだろう。


 しかし、陳珪は徐州の人間、呂布にも袁術にも味方はしない。


 陳珪は劉備に徐州を返すつもりであった。


「急いで班遷将軍に会わせてもらいたい。」


 陳珪がそう言うと見張りの者たちは班遷を呼び寄せた。


「お久しぶりです。して、要件とは?」


 陳珪は月を眺めて言った。


「今宵の突きは綺麗じゃな。月夜を散歩しながら離すのもまた風流、酒でも持って久々に語り合おうではないか………」


 陳珪の言葉に班遷は『なるほど』と思い、陳珪に従った。


 二人は一目を避けたところで話し合った。


「袁術は皇帝を名乗ってから民に重税を強要し、奢侈放蕩な生活をしているとか、そんな人間に本心から従っているのか?」


 班遷はその言葉に思わず本音を口にしてしまう。


「私とて、袁術に忠誠を誓いたくはない。袁術のせいで民は貧困、餓死、皆が犠牲になっている。あんな人間が皇帝を名乗るなど、馬鹿にも程がある!!」


 まるで、日本のような政治家である。


 日本人も選挙に立候補するゴミどもは皆、袁術のような自惚れ野郎達と言う訳だ。


 無能が上に立つと必ず民が飢えることになる。


「それでこそ、人と呼べるであろう。袁術は人ではない。猿じゃ!!」


 班遷は決心した。


「分かりました。では、どのように動けばよろしいでしょう?」


 それを聞いた陳珪は叛乱を起こすよう指示し、仲の良い者を中心に裏切らせよ。


 班遷はそれを聞き入れて承知した。


「袁術の私利私欲に満ちた生活には不満を内々に秘めているものは多いでしょう。必ず、多くの者が呼応してくれます!!」


 陳珪は呂布に全てを話した。


 呂布は袁術軍を見張っていた。


「陳珪が言うには、この日に反乱が起こるはずだ。火の手が上がったら一気に敵陣を突破し、袁術の首だけを狙うのだ!!」


 呂布が皆に言うと少ししてから敵本陣で火の手が上がった。


「よし、今だ!! 突撃せよ!!」


 呂布が袁術の首を目掛けて突撃する。


 袁術は自陣で蜂蜜水を飲んでいた。


「いや~、もう少しで徐州も朕の物、陳珪の奴もそろそろ寝返る頃じゃろうて………あ~、蜂蜜が旨い。」


 袁術は重税によって贅沢な食生活に明け暮れていた。


 そんな時に一人の者が慌てて入り込んできた。


 紀霊である。


「袁術様!! いえ、皇帝陛下!! 陣内で班遷らが叛乱を起こし、呂布がこの陣目掛けて突撃してきております!! 呂布はもう目の前ですぞ!!」


 それを聞いた袁術は驚いて蜂蜜水を零してしまった。


「は、早く呂布の首を刎ねよ!!」


 そう言いつつも袁術は綺麗に馬を用意させる。


「袁術!! どこに行く!! 首を切ってくれるわ!!」


 呂布の声に袁術は驚いて馬から転げ落ちてしまう。


「袁術様!!? 呂布!! この紀霊が相手だ!!」


 紀霊は数合打ち合っただけで部下を呼び寄せた。


「おお、お前たち、遅いぞ!! 早く呂布の首を切らんか!!」


 ただの筋肉バカである紀霊では呂布の槍捌きが見えなかった。


「待て紀霊!! まだ小手調べだというのにもうねを挙げるのか!! その筋肉は見掛け倒しなのか!!」


 部下たちは命懸けで呂布と戦うが、自称皇帝陛下と紀霊将軍は命からがらも逃げ出したのである。


 袁術の後を追いかける紀霊、今度は目の前に人影が並び立つ、袁術が『誰か?』と聞くと影から返答が帰ってきた。


「儂は劉備玄徳の次男、関羽だ!! 義によって助太刀に参った!! 袁術、自称皇帝陛下と民への重税、この関羽が切り捨ててくれる!! 覚悟しろ!!」


 袁術は関羽の顔を見て余りの恐怖に落馬してしまう。


「か、かか、関羽だと!!?」


 紀霊が袁術を守るために関羽に斬りかかる。


 袁術の前なので漢を見せるつもりなのだろう。


 しかし、関羽の青龍偃月刀が紀霊の槍を払い除ける。


「そんな腕でこの関羽に邪魔立てする気か!! 逆賊の大将よ!! あの世で永遠に暮らすが良い!!」


 紀霊は関羽の斬撃を馬から飛び降りて避けると関羽の馬と紀霊の馬が打つかり、関羽の馬が倒れてしまった。


 関羽の馬はもう年であった。


「く、儂の馬さえまだしっかりしていれば!!」


 紀霊と袁術は即座に馬に乗って部下に関羽の足止めを任せて命からがらも逃げ出した。


「おのれ、逃げ足の早い奴らだ!!」


 その後で呂布がやってくる。


「おお、関羽か!! 袁術の首は取れなかったが、袁術の野郎、重税をやってたらしく多大な食料が手に入った。是非、饗させてくれ!!」


 関羽は呂布を睨みつけて言った。


「断る!! 兄者から城を奪った賊と交わす酒などないわ!!」


 それを聞いた呂布は複雑な気分になってしまった。


「さらばだ呂布!!」


 関羽は呂布を後にしてさっさと退散した。


 戦は陳珪の大勝利で終わった。


 故に、陳珪と陳登は呂布から大いなる待遇を受けることとなる。


「いやぁ、陳珪殿と陳登殿のお陰で20万の軍勢を一網打尽にし、袁術軍を多数吸収できたのは大手柄だ!! 今宵は飲み明かしましょうぞ!!」


 陳珪と陳登は呂布の持成しを受け入れると同時に献上品まで用意していた。


「呂布様、我らも呂布様に良いお知らせがございますぞ!!」


 陳登が言うと呂布が食らい付く。


「ほぉ、それは一体何だ?」


 陳登は内心喜んではいなかったが多いに喜ぶフリをして称賛した。


「なんと、天子から左将軍の位をいただきになられました!!」


 これを聞いた呂布は大いに喜びこう言う。


「はっはっは、これは陳親子に敵いませんな!! 二人は俺の腹心だ!!」


 呂布は陳親子を絶大に評価したのであった。






ーーーーーーーーーーー


 次回、まで取っておきたいのですが、日本人は腐れ儒者が多いので『劉備』を最大の悪人と罵っております。


 これらを見ても董卓や曹操が善人だと抜かす馬鹿はいないと思います。


 そして、そう言った腐れ儒者のゴミどもは必死になって私の揚げ足をお探しになられるでしょうね。


 そういうのじゃないんだよな~(笑)


 話の内容、策略のオリジナリティー、そして、揚げ足取りの腐れ儒者が言う。


 『は? 陳珪は劉備に忠誠尽くしてないだろ!!』とね。


 さてさて、そんなくだらない浅知恵腐れ儒者は居ませんよね?


 話を明かすのは好みませんが、無能な腐れ儒者の流言で騙されるゴミどもも多いのがこの日本でございます。


 陳珪はちゃんと曹操側に忠誠を誓うように動かします(笑)


 因みに、班遷という武将は存在しません。


 袁術を裏切る人間は数え切れないほどいるので、誰でもいいんですよね(笑)


 まるで、今の日本の政治家のようだ………民心離れる無能なリーダー達に乾杯。


 では、またいずれお会いしましょう。

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