スイカ


田舎から送られてきたスイカの箱には

スイカの絵がプリントされていて。

気に入って、捨てずに

もふもふ関係のものを入れる

棚に改造した。

いつでもスイカの絵が見える。


団員もふもふたちにも

スイカのプリントは好評だ。


団員もふもふたちは

スイカが大好きだ。


しょっちゅう その棚の

スイカの絵を眺めている。


食べる時には

カットした状態であげているのだが

丸いスイカの絵で

スイカと判っている。


匂いでもするんだろうか。

それとも

送ってきた時に見せて

目の前で切ったのを

覚えているのだろうか。


暑くなると

スイカの絵を眺めながら

ニンゲンと交互に見始める。


「スイカが食べたい!」


ニンゲンもスイカは大好きだ。



いい具合に よく冷えたスイカ。

短冊状に、小さくカットする。

丁度、1度で口に入るサイズ。



すぽん!

1口!


いっきに口の中で潰す!


ジャー!!!

ダバダバダバ!!


口元!

胸!

足元!


スイカの汁で水浸し!

ハムスターもスイカ色!


なんていい顔をして食べるんだ!


大騒ぎでスイカ色に染まっていくハムスター組。


そんな狂乱の宴を横目に

モルモットのお姫様は

しずしず・・・とスイカを食す。


彼女はキレイ好きなのだ。

口から、一垂れすら

零れることは許せない。

汚れたくないのだ。


一度、

胸にスイカ汁が掛かってしまい、

汚してしまったことで

大粒の涙をこぼして泣いていた。



「これ以上は 汚しそう」


ごちそうさまの挨拶をして

鼻先で 静かに

スイカの入った皿を押し出す。

そしてハムスター組に声を掛け。



呼ばれたハムスター。

スイカまみれで振り返る。


お姫様がキレイ好きなのを知っている。

手早く毛を綺麗にしてから

姫様エリアに入ってくる。


2,3言 言葉を交わし。

お礼を言って スイカを持って行く。


貰ったスイカは頬袋の中。

ハムスター組の皿に、全部出した。


まだ食べたい仔が順次食べる。


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モルモットのお姫様は

大好きなおとうちゃんに

お風呂でいつもキレイにして貰っている毛を

汚したくないのだ。

おとうちゃんの前では

いつも「お姫様」でいたい。


なんて乙女心なんだろう。


おかあちゃんだけの時なら

あられもない姿も晒しているのに。


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男の仔ばかりのハムスター組は

さすが男の仔!


顔も腹も、お尻まで

スイカ汁!


「恐怖!スイカ男!」

そんな怪人は仮面ライダーには

いないぞ。






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