うちの仔になったばかり



家に来たばかりの頃の団員もふもふたち。


匂いや声や

顔も まだ覚えてない。


メガネの人は

掛けた顔と

外した顔

別の人かと困惑する。


見せながら教えると

安心して笑顔になる。


髪型が変わってもビックリする。


どんな小さな事でも

教えてあげると

安心して どんどん覚える。



換気扇の音に驚いているので

抱いて

換気扇の前まで行って

名前を教え、

機能を教えながら

点けたり消したり。


トイレのドアの開閉音に驚いていたので


「あれは ちっこの部屋だね」


「大きい音だねー」


「色んな音がするね」


音が聞こえるたびに

そう話していた。


いっそのことと思い

抱いて、

家中のドアの前に連れていって

全部開閉しながら、音と部屋とドアについて説明をした。




立ち上がっても驚くので

団員にんげん


「〇〇は立ち上がるよー」


「横通りまーす」


逐一ちくいち

行動の実況をするのが口癖になってしまったが、

おかげで

こちらに来るとわかると

全員すぐに道を空けてくれる。


「ありがとねー」


ぴこーん!



初めて見るもの、

音も匂いも

なんだか判らなければコワイだけだ。

一体何なのか、判ってしまえば

もう怖くない。

驚かない。


新しい仔が来た時には

すぐに怖がらなくなるのは

無事に引き継がれているんだろう。



 











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