うちの仔になったばかり
家に来たばかりの頃の
匂いや声や
顔も まだ覚えてない。
メガネの人は
掛けた顔と
外した顔
別の人かと困惑する。
見せながら教えると
安心して笑顔になる。
髪型が変わってもビックリする。
どんな小さな事でも
教えてあげると
安心して どんどん覚える。
換気扇の音に驚いているので
抱いて
換気扇の前まで行って
名前を教え、
機能を教えながら
点けたり消したり。
トイレのドアの開閉音に驚いていたので
「あれは ちっこの部屋だね」
「大きい音だねー」
「色んな音がするね」
音が聞こえるたびに
そう話していた。
いっそのことと思い
抱いて、
家中のドアの前に連れていって
全部開閉しながら、音と部屋とドアについて説明をした。
立ち上がっても驚くので
「〇〇は立ち上がるよー」
「横通りまーす」
行動の実況をするのが口癖になってしまったが、
おかげで
こちらに来るとわかると
全員すぐに道を空けてくれる。
「ありがとねー」
ぴこーん!
初めて見るもの、
音も匂いも
なんだか判らなければコワイだけだ。
一体何なのか、判ってしまえば
もう怖くない。
驚かない。
新しい仔が来た時には
すぐに怖がらなくなるのは
無事に引き継がれているんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます