第46話新たな王~ブリリアントside~

 邪魔な存在が居ない三年間はまさにパラダイスでしたわ。ストレスの原因がいないだけで物事が上手く回るのだと実感した程です。


 そう思っていたのがいけなかったのでしょうか?

 公の場であらぬ疑いを掛けられ、婚約破棄を宣言されてました。


 まあ、結果として目出度くユリウス王子と婚約が白紙になりましたので良しといたしましょう。王子の望んだ婚約破棄ではなく、婚約の白紙ですけどね。白紙にすると言う事は、即ち、『最初から婚約などしていなかった』という事になります。私としては要らぬ傷が残らなくて万々歳ですわ。


 それと同時に、一家総出でお母様の母国である帝国に移住致しました。表向きは私の留学。一人娘を国外に出すのを心配した両親とその他大勢が一緒に付いてくるという風を装ってますけどね。お父様の身分は帝国でも「公爵位」のまま。帝国についた段階で国籍を移し、王国が承認する形で手続きが終了しました。意外に簡単でしたわ。



「それは当然よ。慰謝料を払わなくても良い代わりに認めさせたんですもの」


 納得のいく答えをありがとうございます、お母様。

 どうやら王家は支払い切れないであろう慰謝料代わりに全面降伏なさったようです。


 

 私が居なくなったからと言ってあの馬鹿共が大人しくなってくれる訳もありませんしね。

 むしろ逆でしょう。居なくなることでより調子に乗るかもしれませんわ。

 まあ、その辺は残された方々に任せるとしましょう。


 私は今の生活がとても気に入っております。

 王国に戻る事は万が一にもございませんので悪しからず。



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