吹っ飛ばし
何もかもが高くなっている。ちょっと外食すれば普通に1000円以上したりする。ラーメンですら1000円オーバーが普通になってきた。数年前は3000円で二時間飲み放題なんてコースは普通にあった気がする。
給料も確かに上がっているようだ。しかしご存じの通り物価上昇には追い付ていない。当然実質所得はマイナスだ。米の値段も高騰しているが、様々な食品の値段が上がっている。燃料費も上がって光熱費も上がっている。このままでは庶民は干上がって……しまっていない。もの凄くこれが感覚的に不思議である。
街の中心部に行けば、飲食店は若者でごったがえしている。夜の居酒屋も同様だ。どうして実質賃金が下がっているのにそんなに余裕があるのかとても不思議だ。そうしてある仮説が頭に浮かぶ。
トータルで使える金額は同じ、もしくは下がっているとして、何にに使うかが変わってきているのではないだろうか? 自分が若いころに何にお金を使っていたか? あまり威張っていえるような話ではないが、異性にもてるように頑張ってはいなかったか? それなりにいい服を着て、デートと言えばちょっといい店に行って女性にごちそうしたり、何かをプレゼントしたり……そうして結婚すればある程度広いところに住んで家電を揃えて……子供ができれば義務教育以外にも、習い事をさせて衣食住以外にも大いにお金がかかる……。
そのあたりを全て吹っ飛ばしてしまえば自分で使えるお金は、当時に比べてもだいぶ余裕が出てくると思う。近年の統計を見れば、少子化や未婚化ももちろん、交際経験のある人間の数も激減しているようだ。そりゃそうなるよなと思わなくもない。若者の所得を伸ばせば、婚姻率が上がって少子化も解消されると考えてきたが、遊ぶお金が増えるだけでそうはならないかもしれない。
それがいい事なのかどうかはよく分からない。幸せだと思える人が増えて行くなら、それはそれでいいような気がする。
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