5

 *


 「ただいま、」


 「お、フウ太、UNO、UNO! メンバーがさ、」


 遊びにきてたパパの友だち(本人はお巡りさんだとかいってるけどぜったいにうそだ。すごく柄が悪い。パパもママもだまされてる)を、


 「あ、おい、おいおい、」

 「…フウ?」


 無視して部屋にこもる。


 自由帳を広げて睨む。あしたの放課後に決行する作戦がびっしり、書かれている。


 うまくいく。ぼくは(たぶん)逗子一の大泥棒の息子なんだ、とうぜんだ。


 あした、ぼくたちはベティちゃんを誘拐する。それで、ヤンを、助けてもらうんだ。

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