「小説の感想と改善点を聞かせてください」

2023.03.17

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【私】

下記の小説の感想と改善点を聞かせてください。


シシリエンヌ


 街角で懐かしい名前を見かけた。

 書店の窓に貼られたポスターに印刷されたその名前は、僕のクラスメイトが使っていたペンネームだ。風変わりな名前だから、誰かと被ったりするはずもない。

 僕は時も忘れてその名前を見つめた。


 中学生の頃、僕と彼・女・は秘密を共有していた。

 僕は趣味で小説を書いていて、どんなきっかけで彼女がそれを読むに至ったか忘れてしまったが、彼女が初めて僕の小説を読んだときの反応は今でもはっきり覚えている。


「すごい! 小説って中学生でも書けるの!?」

「そりゃ……書けるだろ」

「私、書けないよ?」

「書いたことがないだけだよ。書けるって」


 小説を書くのが趣味だなんて、てっきり馬鹿にされると思ったのに、彼女の目は宝物を見つけたかのようにキラキラ輝いていた。


 その日から、彼女も小説を書き始めた。

 僕らは自分たちの書いた小説を互いに読んだり感想を言い合ったりした。

 他の誰も知らない、僕らだけの秘密だった。


 やがて僕は同じ高校に進学し、彼女は迷わず文芸部に入った。

 僕はというと、高校に入学してから小説を書かなくなってしまった。


 書かない理由はいくつもあった。

 疲れているから。眠いから。お腹が空いているから。忙しくて時間がないから。学校があるから。バイトがあるから。友達と遊ぶから。ゲームをしたいから。アニメやドラマも見たいから。やる気が出ないから。自分が書かなくたって、もっと素晴らしい作品が世の中にはたくさんあるから。


 僕がそんなくだらない言い訳を並べているあいだに、彼女はずっと書き続けていたのか。

 僕の方が先に始めたのに、いつのまにか追い越され、彼女は手の届かない遠くへ行ってしまった。


 今からでも追い付けるだろうか。

 またあの頃と同じように、彼女と話がしたい。

 帰ったらパソコンの電源を入れて、久しぶりに小説を書こう。

 ポスターの名前からそっと視線を離し、僕はふたたび歩き始めた。

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【AIチャットくん】

この小説は、秘密の共有というとても温かい要素を含んでいるので、読んでいる人は暖かい気持ちになると思います。また、自分の持っている才能や趣味を周りに認めてもらえると、自信や勇気が出てくる、という素晴らしいメッセージが込められています。


改善点として、具体例をもっと挙げることができたら、読者のイメージがしやすく、お話が身近に感じられるかもしれません。加えて、中学生の時のエピソードと、高校以降の彼女との交流について、もっと詳しく描写ができると、物語全体をより深く理解できるかもしれません。

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【私】

この小説の感想を聞かせてください。


 その日、俺は事故で死んだ。

 居眠り運転のトラックにひかれたのだ。まったく不運だとしか言いようがない。

 そして、死んでからも俺の不運は続いた。


「すまんのう。ちょっとした手違いでお主を死なせてしまった。本当は別の者が死ぬはずだったのじゃ」


 神と名乗るそいつは、悪びれもせず言った。

 冗談じゃないと抗議すると、そいつはニヤリと笑った。


「喜べ。神の力で別の世界へ転生させてやろう」


 異世界転生。

 小説や漫画で見たことはあったが、まさか本当にそんなことが起こるとは。

 しかし、ここからも俺の不運は続く。


「種族は……ま、適当でいいじゃろ。ステータス? 特殊スキル? 面倒じゃのう。パス。おっと、転生場所を考えねばならんか。え~い、どこでもいいわい」


 気が付くと俺は深い森の中にいた。

 よりによって、見知らぬ世界で森の中に置き去りだなんて。


 それよりも絶望したことがあった。

 地面がやけに近い。俺は獣のように四本の足を地につけて立っていた。

 まさか、モンスターに転生したのか?

 しかもドラゴンやベヒモスいった強いモンスターならまだしも、かなりの小型獣だ。


 トラックにはねられ、手違いで殺され、特殊スキルも与えられず、人里離れた場所に転生させられ、人の姿にもなれず、しかも弱い獣に変えられて。

 異世界に転生してもこの不運は続くらしい。


「下がれ。モンスターだ」


 声が聞こえた。

 見れば、剣を携えた男と若い女がいた。

 二人の身なりからして、女は事情でどこかへ向かう途中で、男はその護衛といったところか。


 男の目が俺を睨みつける。

 女もおびえるような目で俺を見ている。


 ああそうか。

 華々しく活躍する勇者を夢見ていたが、この世界で俺は狩られる側なのか。

 しかもこんなに早く武器を持つ人間と遭遇してしまうとは。あまりに不運過ぎる。

 せめて、この世界では存在することを、生きることを、幸せになることを許されたかった。


 ……もう疲れた。

 俺は地面に横たわり、腹を見せた。もう生きるのに疲れた。もがくのに疲れた。期待することに疲れた。いっそひと思いに殺してくれ。


 しかし、いつまで経っても剣が振り下ろされることはなかった。

 薄目を開けると、男は小刻みに震えていた。女も目を見開いたまま口元を押さえて固まっている。


 なにか様子がおかしい。

 背後から凶悪なモンスターでも迫っているのかと思い、身を起こして振り返ってみたが、違うようだ。


 早く俺を殺してくれ。

 そう声をかけようとしたとき、己の口から妙な声が漏れた。


「ミャア」


 その途端、二人は耐えきれないといった様子で声を上げた。

「かっ可愛い! なんだこの生き物は!?」

「わたくしもこのような生き物は初めて見ました! なんと愛くるしい……」

「ああ。この毛並み、このフォルム。まさに神が作ったとしか思えない完璧な生き物だ!」

「お目々も、お耳も、鳴き声も、ふさふさな尻尾も、最高にチャーミングですわ!」

「こ、これは断じてモンスターなどではない! きっと神が遣わした崇高な生き物に違いない!」

「まあ! それでは町へ連れ帰って崇めなくてはなりませんわね!」


 いったいこの二人は何を言っているんだ。

 ふと、男の剣に映った己の姿が見えた。

 そこに映っていたのは、まさしく猫の姿だった。


 それから俺がどうなったかというと。

 人々にちやほやされ、たらふくうまいものを食べ、好きなときに眠るという自由気ままにゃ生活をしている。

 俺がのびをしたりあくびをしたりごろごろしたりするだけで、異世界の者たちは歓声をあげたり感動のあまり震える。

 異世界で、俺は猫としての新たな生を楽しんでいるにゃ。

 言うなれば「アンラッキー(×7)転じて福とにゃす」だ。

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【AIチャットくん】

この小説は、予想もしなかった異世界転生という設定を面白おかしく描いたお話でした。主人公が猫に転生してしまい、人間達にかわいがられる様子が描かれていて、心温まる気持ちになりました。


改善点としては、主人公が転生した異世界の描写がもう少し細かく描かれていると、よりその世界観に引き込まれるかもしれません。また、主人公が最初に猫に転生してショックを受けた様子が少し足りなかったと感じました。もう少し深く掘り下げた描写があると、主人公が猫として新たな生を楽しむ理由がよりわかりやすくなるかもしれません。

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●メモ

・この小説を読んで「どんな気持ちになるか」を割と正確に言い当ててくる。

 これには「この小説がどんな作品か」を読み解く能力と、「つまりどういう系統の作品か」「それを読んだときにどのような感情が引き起こされるか」をAIが正しく分類できているということになる。

・改善点についても的を得ているように感じる。

 とくに「主人公が最初に猫に転生してショックを受けた様子が少し足りなかった」という意見については「その通りでございます」と言いたくなる。

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