第3話 音

私がこの体験をしたのは、20代の頃です。

当時、私は新卒で入社した会社で働いており、大手の銀行で営業をしていました。


ある日、取引先の企業からの招待状を受け取り、その企業の社員と一緒に温泉旅行に行くことになりました。旅行は、山奥にある古民家風の宿で行われることになっていました。


初めは楽しい時間を過ごしていたのですが、夜になってから異変が起こりました。私たちが泊まっていた部屋の中で、不気味な音が聞こえ始めたのです。


最初はただの風音かと思っていたのですが、その音がどんどん大きくなっていくのが分かりました。そして、何かが部屋の外で足音を立てているような気がして、恐怖を感じ始めました。


その足音は、どんどん近づいてきているようでした。私たちは怯えながらも、ドアの向こうにいる何かを確認しようとしましたが、ドアを開けても誰もいませんでした。


その後も、部屋の中で不気味な音が続き、私たちは一晩中眠れずにいました。翌朝、私たちは早々にその宿を出て、取引先の企業の社員と一緒に帰路につきました。


私はこの出来事以来、怪談や幽霊について興味を持つようになり、実話の怪談を収集するようになりました。

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