異世界文化人類学〜女人族ニャイテャッチを調査せよ

所クーネル

3月28日/死んだので今日から日記をつける

 頭が混乱しているときは、できるだけ詳細な日記を書くと良いと先生に勧められ、立派なノートを贈られたので、今日からなるべく記録を付けることにする。

 どこから書けばいいんだろう。


 先生というのはいわゆる文化人類学者で、俺は今その調査旅行に同行している。

 だから毎日書くということは難しいかもしれない。

 いや、こんな、自分への言い訳は必要ない。良くない癖だ。先生にも、自信を持って生きるよう言われた。


 さて、本当にどこから書こう。


佐藤拓馬 二十八才

東京都生まれのSE(一応正社員)


 だった。過去の話。


 残念ながら、俺は三日前に死んだ。



————————


※次話からは1話2,000字程度で進行していきます。

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