【女の事件】女王蜂〜魔女になってしまった花嫁さん

第８話

９月10日の日中のことであった。

あいつの実家に、大阪で暮らしていた姉のきみこ(46歳)がダンナと男の子３人の家族５人で実家へ帰って来た。

ダンナがヤミキンから5000万円の借金をしていた。

債権者（やくざ）が周囲をうろつくようになったので、助けてほしい…

義姉（おねえ）は義父母に助けを求めた。

義父母は、あいつのリコンサイコンとショッケンをクビになった問題で家が大混乱におちいったので助けることができないと言うた。

義姉（おねえ）は、義父母に対して思いきりブチ切れた。

「おとーちゃん!!大阪におったら、債権者（ヤクザ）に殺されてしまうのよ!!安心して暮らすことができないから助けを求めているのに、うちらに死ねと言うのね!!」

「きみこ…うちは今、ものすごく困っているのだよぉ…やすあきが急にしほこさんと離婚した…ハラスメントが原因で会社をクビになった…」

「おとーちゃんとおかーちゃんがやすあきを甘やかしたから、やすあきが暴力をふるうようになったのでしょ!!うちらのことをボロクソに言うだけボロクソに言うたから、ぺっちゃんこにつぶすわよ!!」

義母は、泣きながら義父に言うた。

「おとーちゃん…今は、きみこの問題の方が深刻になっているのよ…」

「しかしだな…」

「やすあきが暴力をふるう原因を作ったのは、全部おとーちゃんにあるのよ!!」

「分かっているよぉ…」

「今はきみこの問題を解決させることが最優先よ!!きみこと孫たちがやくざに殺されたらどうするのよ!!」

義母からどぎつい声で言われた義父は、きみこの家族を保護することを決めた。

義姉（おねえ）の家族が家に転がり込んだので、アタシの居場所はなくなった。

その一方でアタシの実家でも深刻な問題が発生した。

アタシの姉（おねえ）・みほこ(38歳)が５歳の男の子を連れて家に出戻った。

姉（おねえ）は、ダンナからきつい暴力をふるわれたので助けてほしいと父に求めた。

「おとーさん!!アタシはダンナからきつい暴力をふるわれて、大ケガをおうどころか…殺されかけたのよ…小さい子どもが巻き添えになるおそれがあるのよ!!…助けてよ!!」

「分かってるよ…」

「分かってるのだったら動いてよ!!」

「動くよぉ…だけど…もう一度だけでもダンナと話し合うと言うことはできないのかな…」

「できないわよ!!ダンナは、アタシと子どもに『殺すぞ!!』と言うてキョウハクしよんのよ!!アタシ、本当に殺されてしまうのよ!!」

「分かっているよぉ…その前に…」

「おとーさん!!何なのよ一体!!その前にしほこの問題があると言いたいの!!」

「そうだよぉ…」

「冗談じゃないわよ!!アタシの結婚が遅れてしまった原因は全部しほこにあるのよ!!あんたらはしほこにかわいいかわいいと言うて過度に甘やかした!!…七五三などのお祝いはしほこの方がゴーセーだった…アタシのお祝いは粗末なもの…ううん!!お祝いなんか一つもなかった!!それはアタシが憎たらしいと言うことよね!!」

「おとーさん…お願いだから、みほこを先に助けてあげましょう。」

「分かっているよ…」

父は、姉（おねえ）の問題を先に解決したいと言うたけど、アタシをないがしろにできないので大弱りした。

だから、姉（おねえ）は思いきりブチ切れた。

「もうだめ!!アタシ!!たえることができない!!」

「みほこ…分かってくれ…」

「何を分かれよ!!ガマンの限界よ!!おとーさんがしほこしほこと言うのであれば、知人の知人の男性に頼むから!!」

「みほこ!!」

「アタシは本気よ!!しほこが生まれて来たときからあんたたちはアタシを憎いと言うた!!」

「そんなことはないわよ…」

「やかましい!!アタシはしほこのせいで人生がズタズタに壊れたのよ!!今からの知人の知人の男に頼んでヤクザの組長に頼むけん…タジマ(やくざ組織)のダンプカーでこの家をつぶすから…ダンナをコンクリ詰めにしてドラム缶ごと東門の岸壁にドボーンと落として殺してと頼むわよ!!」

姉（おねえ）は、両親をキョウハクしたあとスマホを取り出して、ヤクザの組長に電話した。

「もしもし組長…ダンプカー１台を回して!!ＤＶ魔のダンナをひき殺して!!…あと、ＤＶ魔のダンナか勤務している職場にダイナマイトしかけて火の海にして!!大至急お願い!!」

姉（おねえ）が、知人のやくざの組長に電話をしていたのをみた両親は、止めることができずにおたついた。

だから、両親は姉（おねえ）に屈する形で認めた。

これでアタシは、実家にも居場所をなくした。

９月14日頃のことであった。

両親は、アタシの再婚相手を父親の知人の男性の次男さんで今治市内（しない）にあるＪＡの支所に勤務しているＡさんに決めた。

両親は、Ａさんをムコヨウシに迎えようと決めた。

この時も、両親はあいつの時と同じ方法で縁結びをさせた。

父がケータイをなくして困っているから一緒にケータイを探してほしいと頼んで、一緒にケータイを探すことであった。

あの時、あいつは洗濯物のかごに入っていたワイシャツのポケットに入っていたケータイを見つけた。

ケータイを見つけたお礼に、アタシとお見合いをさせると言う形で結婚の話をすすめた。

Ａさんも、父がケータイをなくして困っていると言われたので、一緒にケータイを探した。

この時も、洗濯物のかごにいれていたワイシャツのポケットに入っていた。

Ａさんは、父のケータイを見つけることができた。

Ａさんは、父からお礼にアタシを紹介すると言われたのでうれしくなった。

アタシは、あいつと離婚したあとは女ひとりで生きると訣意（けつい）したのに、なんなのよ!!

沼隈さんから電話がかかった時、アタシは思い切りブチ切れた。

アタシは『イヤ!!』と言うて拒否した。

しかし、沼隈さんは『おとーさんはしほこさんの花嫁衣装を見たいと言っているのだよぉ…』と言い返した。

だからアタシは、よりし烈な怒りを増幅させた。

(ブーン!!ブーン!!ブーン!!ブーン!!)

何なのよ一体…

アタシは…

女ひとりで生きて行くと決めたのに…

(ブーン!!ブーン!!ブーン!!ブーン!!)

アタシの乳房（むね）の奥の深い傷の中で増殖を続けているスズメバチたちは、凶暴の度合いをさらに高めた。

アタシのかわいい蜂（こども）たちよ…

アタシと再婚したいといよる男（バカ）どもに…

鉄拳制裁（せいさい）を下すのよ…

そして、アタシの乳房（むね）の奥から１度に200万匹のスズメバチの大群が飛び出した。

アタシの乳房（むね）から大量に飛び出したスズメバチの大群は、次のターゲットへ向かって飛んだ。

９月16日の夕方であった。

アタシの乳房（むね）から大量に飛び出たスズメバチの大群は、Ａさんに向けられた。

アタシは、宝来通りにあるおちいまの本所へ行った。

アタシは、Ａさんはどこの支所で働いているのかと聞いてみた。

Ａさんは富田の支所で働いていた。

この日、Ａさんは松山へ出張中だと聞いた。

アタシは、言葉のトウイにはだまされないわよ…

このあと、アタシは衣干（きぬぼし）のヤマダ電機の近くにあるラブホへ行った。

そしたら…

Ａさんが女と一緒にラブボへやって来た。

Ａさんは、職場の車を使ってここへやって来た。

浮気現場を目撃したアタシは、思いきりブチ切れた。

Ａさんと一緒にいる女はやくざの組長の女よ…

そう決めつけたアタシは、知人の組長に電話してＡさんが女と一緒にラブボへ入ったことをチクった。

それから40分後であった。

黒のニッサンプレジデントがホテルの前に５台止まった。

やくざの男たち30人が、目星の部屋になだれ込んだ。

Ａさんは、30人のやくざの男たちに港大橋の近くにある砂利屋さん(やくざの事務所が経営している)へ連れて行かれた。

アタシは、遠くでＡさんの最期を見た。

「イヤだ!!死にたくないよ…」

「ふざけるな!!」

「よくも組長の女（レコ）に手ぇつけたな!!」

「違うよ…」

「オラオドレ!!コンクリートづめや!!」

Ａさんは、やくざの男たちにドラム缶に押し込められた後にコンクリートづめにされたあと、岸壁から海に落とされた。

みじめね…

職場の車を使って女と一緒にドライブをしたあげくに…

やくざの組長の女に手を出した…

子分たちの怒りを買ったあげくに…

命を落としたことに気がつきなさいよ…

サイテーね…

アタシは、コンクリート詰めにされて行くＡさんを冷めた目付きで見つめた。

しかし、アタシの遺恨劇はまだつづいていた…