この想いは消してくれるなよ。ツユクサ畑の中で祖母は呟いた。
赤ら顔の祖母の言葉にまた始まったと誰もが笑う。あの花で染めた布が消える頃に戻って来ると言っておったに、水に触れたらその色は消えてのお、あっという間に真っ白しろじゃあ。言い終わるや否や猪口を机に叩きつけて走り出す祖母の後姿を追ってひた走る。行先は花畑。祖母が初恋の人と別れた場所だ。
(2023.9.12)
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