ある者

 そう。つまりそういうことなんだ。おれが月給10万の低所得の仕事に就いているのは、大学3年からの就職活動をさぼったせいなんだ。その頃のおれといえば大学構内では目立たない学生だったが、ひとたびその外に出ちまえば狂った脳みそを持ったとんだ大馬鹿野郎に大変身するんだ。それはまるで満月を見た人狼のように。

 ああ。友達はおれに言ったさ。「バイトでもしろよ」ってな。あいつはおれのこと小ばかにしていただろうさ。そりゃそうだよな。大学生でバイトをしているやつなんて五万といるが、おれみたいにしてない奴はそうそういねぇ。

 外に出たらどんな妄想をしているかって? そりゃ周りの奴らの首から上をちょんぎってやる妄想さ。

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