第41話 好きな人
水元先輩の服が乾いても話がまとまらなかったので、ご飯を食べながら予定を決めることになった。
「まず、どこに行くか。だね」
「そうですね。詩は行きたいところありますか?」
「うーん…遊園地とかは行ったし、行ってないとこに行くか、また同じところに行くか…」
「あ!」
「どうしたの?咲枝」
「今度、新しく水族館がオープンするんだって!そことかどう?」
「いいね!ちなみにその水族館は近いの?」
「うん!ここから歩いて40分くらいかな?」
「いいじゃん!そこに行こうぜ!」
その話に一番に食いついてきたのはやっぱり水元先輩だった。
そこから水元先輩が仕切って予定を立てた。
「あのさ、詩」
「咲枝、どうしたの?」
「ちょっと相談があって…」
「ここでも大丈夫なの?」
「うん、どうせみんな話に夢中だし」
「咲枝がいいならいいけど…」
「うん、ありがとうっ」
「で、相談って?」
「実は好きな人が出来て…」
「え!?そうなの?」
「うん。」
「誰々!?」
「同じ部活の先輩なんだけど…」
「咲枝ってバスケ部だったよね?」
「うん、男バスの部長なんだけど…」
「あー…あのめちゃくちゃモテる先輩でしょ?」
「うん。でも、すごく優しくていいなーって思ってきて」
「そっかー。その先輩とは付き合いたいの?」
「出来ることなら…」
「その先輩とは普通に仲良いの?」
「いや、そこまででは…でも、男子も女子もどっちの後輩にも優しくて」
「うーんじゃあ、まずは先輩に顔と名前覚えて貰えるようにすることからだね!」
「どうやったら…」
「まずは挨拶!まぁこれはやってるのかもしれないけど、印象に残るように明るく笑顔で挨拶すること!」
「うんうん。」
「そこから一言声をかけるとか!」
「うん、頑張ってみる!」
「でも、ちゃんと部活はやるんだよ?部活で目立てたら、先輩も気になるかもしれないし」
「そうだね。詩!私頑張るよ!」
「うん!でも、人気がある先輩なら私と焚翔みたいな事があるかもしれないから、そこはちょっと覚悟した方がいいかもね。」
「そうだよねぇ…って、今なんて?」
「ん?だから、覚悟した方が…」
「その前!」
「ん?人気が…」
「その後!八神先輩のこと…」
「あぁ、焚翔?」
「それ!!いつから呼び捨てに?」
「一ノ宮先輩のことがあってから…かな?」
「いいなぁ…彼氏の名前の呼び捨て…」
「いつか咲枝にも素敵な彼氏が出来るから!」
私と咲枝はずっと2人でそんな話をしていた。
いつの間にか夏休みの計画も水元先輩が仕切ってくれたので9割決まっていた。
決めなきゃ行けないのは日付だけになった。
なので、一旦解散しようという話になったので、私と焚翔はそこからデートすることにした。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます