第39話 結果報告
土曜日、先生たちの計らいで他の生徒が居ない日に、私の両親と水元先輩の両親、一ノ宮先輩の両親とそれぞれの担任、生活指導、教頭、校長の14人で話し合いが行われることになった。
その結果、一ノ宮先輩は謹慎処分。
私と水元先輩は謝罪をしてもらって、今後は私に関わらないことを誓ってもらった。
話し合い後は一度家に帰ってから焚翔先輩たちと待ち合わせてご飯に行くことになってる。
「焚翔先輩!」
「おう」
「みんなはまだ??」
「まだ来てないな」
しばらくして咲枝から連絡があって"行けなくなった"とのこと。
焚翔先輩にも吉川先輩から"行けない"との連絡が来たらしい。
「じゃあ今日来るのは由莉と水元先輩だけ?」
「そうなるな」
しばらくすると、水元先輩と由莉が仲良くやって来た
「お待たせしました」
「由莉!」
「詩ちゃんっさっきぶり♪」
「蒼也」
「んー??」
「あとでだいーじな話あるから覚悟しとけよな」
「あー…あはははは」
「焚翔先輩、早くお店に入ろう?」
「そうだな」
私たちはファミレスに入り今日の話し合いのことについて話した。
「そうだったんですね…それで、一ノ宮先輩はどうなったんですか?」
「謹慎処分になったよ」
「あと、詩ちゃんに近寄らない事を誓ってもらった。まぁ、同じ学校だからすれ違うのとかは仕方ないとして、そういう時でも必要以上に近寄ることないようにって」
「そうだったんですね。じゃあこれで少しは安心ですかね?」
「うーん…木内先輩とか古宮先輩を使ってこなければって感じかな…」
「そうですよね…」
「一ノ宮が謹慎の間は安心できるだろうけどな」
「でもさ焚翔。謹慎明けからがどうなるかだよなぁ」
「まぁ…。でもさすがに登校してすぐに何かして来たら次はどうなるかわかんないけど。」
「どういうことですか?」
「もしまた、私に何かしてくるようなことがあれば、謹慎じゃ済まさないって話にもなったんだよね。」
「そうなんですね。」
「と・に・か・く!あいつが登校してくるまでは平和だから楽しい学校生活送れるよ☆」
「じゃあ、堂々と2人で登校できるな。」
焚翔先輩はそう言って私の肩を抱きながら微笑んだ。
「そうだね!」
「ところで、蒼也。」
「んー?何ぃ?」
「お前、詩に告白したんだって?」
「あー…うん」
「え!?そうだったんですか!?」
「その後、閉じ込められた時に抱きしめたとか?」
「え!?し、詩ちゃん…話しちゃったの?」
「はい、黙っていられなくて。」
「あぁぁ…ごめん、焚翔」
「許さん。」
「え!?」
「今度なんか奢れよな」
「…はい。」
「まったく、それは俺。許可してないんだけどなぁ?」
「はい…最初で最後にと思って…」
「ま、今回だけは許してやるよ」
「焚翔ぉ!!」
水元先輩は焚翔先輩に抱きつこうとしたが、由莉に止められていた。
「蒼也兄さんは調子乗りすぎです!」
その後、また話は変わって"海に遊びに行くの楽しみだね"という楽しい話をしばらくしてそれぞれの帰路についた。
「焚翔先輩、送ってくれてありがとうございます!」
「うん」
「先輩?」
「…今回は許したけどさ、もう他の男に抱きしめさせるなよな」
「うん、ごめんなさい」
「蒼也だったから百歩譲ってって感じだったけど、それが俺の知らない男なら無理だから」
「うん…」
先輩のことを怒らせてしまったと思いシュンッとなって俯いていると、急に抱きしめられた。
「せんぱ…」
「ギューってしていいのは俺だけなのっ」
「私も…ギューは先輩だけ…です」
「夏休みにさ…俺ん家に泊まりに来ない?」
「え!?」
「もちろん、母さんもいるから安心して。母さんが詩に会いたいって言ってたから」
「そ、それなら!」
「ありがとう。日にちが決まったら詩の両親にも許可貰うから」
「うん!」
「じゃあ、また明後日な」
「うん、ありがとう!…焚翔」
「うん…ってえ!?い、今…なんて…?」
「も、もう言わない!!」
「言わないなら帰さないー!」
そう言って先輩は後ろから抱きついてきた。
「えー!?た、焚翔」
「マジで嬉しいんだけど!これからは呼び捨てな!」
「が、頑張りますっ」
先輩はいつものクールな感じが無くなり嬉しさが顔にめちゃくちゃ出てて可愛かった
そんな先輩はルンルンで帰って行った。
そこを撮影していたことは内緒にしておこう。
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