ヤンキー彼氏は素直じゃない

詩羽

第1話 出逢い

私、葉山詩(はやましらべ)はこの春、桜芽(おうめ)高校に入学した女子高生だ。


既に私は残りの高校生活に不安を抱えている。

何故なら…


「……」


「っ…」


校内1のヤンキーと言われている"八神焚翔(やがみたくと)"先輩にぶつかってしまったのだ…


「あ…う…」


「…ん。」


ぶつかった拍子に尻もちをついてしまった私は、そのまま先輩を見上げて何も言えずどうしようかと思っていると、先輩が手を差し出してきた。


「え?」


「…」


その手を見て"??"となっている私に先輩はグイッと腕を掴んで立ち上がらせてくれた。


「ご、ごめんなさい…」


「…怪我は?」


「え?」


「怪我。無いか?」


「あ、はい。大丈夫です!」


「そうか。」


顔色ひとつ変えずにそう言うと何も言わずにどこかに行ってしまった。


「ちょっと、詩!」


「大丈夫ですか??」


今話しかけてきたのは幼稚園からの幼なじみの"香坂咲枝(こうさかさき)"と"橘由莉(たちばなゆり)"


「あ、うん。大丈夫」


「まさか、あの八神先輩にぶつかるなんて…」


「詩。平和な高校生活は諦めな。」


「えー…。」


「まぁ、ぶつかった詩が悪いですからね。」


「由莉ぃ…」


由莉と咲枝は"仕方ないね"って言って私の手を引いて教室へと向かった。






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