第22話 発明の日/『大した発明家』

「大した発明家や」がおかんの口癖やった。

朝、米と水のままの炊飯器を呆然と眺めるおかんの前で、既に食卓に用意されていた納豆とチーズをのせてトーストにした時も言うてたな。

おかんこそ【発する明るさで家族を照らす】大した“発明家”やったで。

「しょーもな」……仏壇から声が聞こえた気がした。



◆4月18日は「発明の日」/2023年4月18日作

#140字小説『大した発明家』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る