第20話 エスプレッソの日/『別れ話も短時間で抽出』

優雅にアフタヌーンティーと洒落込みたい私の目の前でエスプレッソを一気に飲み干した。

「私達合わないと思うの……」話を持ちかけると

「で、結論は?」常に先へと急かされる。その表情は口に広がったコーヒーの苦味のせいだけではなさそうだ。

「別れたいと……」

せっかちな彼は既に腰を浮かせていた。



◆4月16日は「エスプレッソの日」/2023年4月16日作

#140字小説『別れ話も短時間で抽出』

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