第8話 しろの日・城の日/『築城前』

「家族になって一緒に歴史を築いていこう」

大好きなお城の前でのプロポーズに歴女の私は感激した。

でも、マイホームを築くこともなく、三日天下の明智光秀のごとく短い期間で婚約破棄に至った。

彼は煌びやかな夜の城で嬢に貢ぎ、結婚資金を溶かしていた。

所詮、一夜城のようなハリボテの愛情だった。



◆4月6日は「しろの日」、「城の日」/2023年4月6日作

#140字小説 『築城前』

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