星詠みの遺跡
日野デリィ
第1話「Mysterium der Anderwelt」
ソルディア大陸の地平線に沈む夕陽が、紅蓮の輝きを放っていた。
風が吹き抜ける度に、街並みは幻想的な光に包まれる。
そんな大陸の片隅にあるラグナス王国は、人々に平穏な暮らしをもたらすとともに、遙か彼方のアストラル領域の脅威から守っていた。
夕焼け空に沈むラグナスの街中で、エッジとノエンは市場を歩いていた。
エッジは細身の体格で、剣士の風格を身に纏い、ノエンは見習い魔法使いの装束で、彼の傍らを歩んでいた。
二人は、ギグガレンの鍛冶屋を訪ねるため、彼の店を探していた。
エッジは闇市の奥にある路地を目指すと、「ギグガレンの鍛冶屋、ここでいいんだよね?」と言いながら、ノエンに確認の視線を投げかけた。
ノエンは彼の言葉に、「はい、ここがその場所のはずです」と微笑んで返答した。
路地の奥にある鍛冶屋に辿り着くと、二人はギグガレンと出会った。
彼はドワーフ族の老司で、真っ白な髭をたくわえた、筋骨隆々の体格をしていた。
ギグガレンはエッジとノエンに興味津々な視線を向け、「何を求めに来たのかね?」と声をかけた。
エッジは彼の問いに、「アストラル領域の侵略からラグナス王国を守るため、強力な武器が必要です。私たちは、あなたの名声に聞き及んで、ここに参りました」と真摯に答えた。
ギグガレンは彼らの求めに応じ、新たな武器の鍛造に取りかかることになった。
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