死ぬ前に僕は君と――えっちがしたい

桜木 澪

第1部 雅人と詩織

第1部 雅人と詩織 あらすじ



 少し晴れた日に。

 僕はこんな空の下、死のうと思う。

 

 高校一年生の初夏。

 佐伯雅人は少し晴れた空を見上げ、決意する。

 

 死のうと決めた雅人。

 死ぬ前に叶えたい願いが雅人にはあった。


 それは才色兼備の委員長、神崎詩織。彼女とえっちをすること。

 雅人は自身の願いを叶えるため、詩織をカラオケへと誘った。


 カラオケで雅人は彼女に襲い掛かった。

 その間、雅人の手は止まる。

 彼女の身体に複数の痣があったのだ。


 雅人の行動に驚くことも無く、彼女は雅人に生の価値を問う。


 互いに初体験を済ませた後、詩織は雅人に言った。


 『一緒に死のう』――と。


 それから、雅人と詩織の死ぬまでの日々が始まった。


 遊園地に行った二人。

 詩織は雅人に提案する。


 雅人は自身の身体を。

 自身は雅人に時間を。


 互いにその事項を好きに出来ると言う提案。


『君に僕の時を捧げよう』

 

 雅人は詩織の提案を了承する。


 やがて、雅人は詩織の身体を欲する様になる。


 同級生の京介が雅人に告げた、性の価値。

 次第に雅人の中で変化が訪れる。


 自身が死んで、彼女が生き残る世界。


 共に死のうと誓ったはずなのに。

 雅人は詩織に生きて欲しいと思う様になった。


 ある日、クラスメイトが交通事故で亡くなる。

 葬儀が終わり、雅人の部屋に来た彼女は激しく雅人を求めた。


 ――互いに生を実感する様に。


 その後、詩織は告げる。

 二人の死に方を。


 死ぬ一日前。

 登校した雅人の靴箱に詩織からの手紙があった。


 その内容は、雅人に生きて欲しいことと、雅人への思いだった。


 読み上げた雅人は詩織の家に向け、走り出した。


 再び、この手で彼女を抱きしめるために。


 同時刻。死ぬ前に詩織にはすることがあった。

 それは自身に暴力を振るう父親の再婚相手に、本音をぶつけることだった。


 その間で、詩織は家の階段から転げ落ちてしまう。


 病院へと運ばれる詩織。

 雅人が医師から告げられる『奇跡』と言う言葉。


 当たり所が良かった。

 生きたいと願った君が生んだ奇跡なのだ。


 少し晴れた日に――。

 僕は君と生きていく。


 死ぬと決めた少年少女――雅人と詩織が共に生きる青春ラブストーリー。


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