第6話
いつもなら必死に動画の内容を考えている時間なんだが、もう考える必要もないので散歩に出た。
「あれ?あっくん?」
知らない男の子から話しかけられた。
「そうだよ。よく分かったね」
子どもには普通に話せる俺
「マジか!すげぇ本物だ。」
学校以外で初めてファンにあった。知らない人から話かけられるとよりその感じが出てくる。
基本的に学校以外は自転車で家に直行だからな。
「あの、握手して貰っていいですか?」
「いいよ!」
おー、辞めたけど感動する。
「もうひらがな辞めたのって本当なの?」
「ごめん、本当なんだ。」
「えーぇもっと見たかった。いつもお父さんとお母さんと楽しく見ていたのに。」
がっかりという顔をする男の子。見ていた話を聞いて、楽しみを一つ無くしてしまったことの申し訳なさ、同時にこんな子どもにも楽しんで貰えたことを嬉しく思った。一番過激なドッキリとかが悪影響与えてないと良いけど。
「あー、ペン持ってくればよかったー、サイン欲しかった。」
「俺もペンは持ってないな。」
そうだ、
「今からコンビニ行ってペン買ってくるよ。」
「ありがとう!」
そして、子どもと一緒にコンビニに入った。
レジに行くと
「えっ、弟さん居たんですか?」
「え、あの」
「あ、すいません。ビックリしてつい、あの私あっくんのファンでした。」
家の近くで良く行ってるコンビニで、いつもの女性店員のレジをやってくれる人だったからビックリした。
「そうなんだ。ありがとうね。実はこの子ファンで、サイン欲しいみたいだからペンを買おうと…」
「え、リアルも凄く良い人じゃないですか。」
「あ、あ、ありがとう。」
「か、可愛い。あの私もサイン貰って良いですか?」
「い、いいですよ。」
「あ、でも書く物が、」
「じゃあ、このレシートに書きますね。」
「ありがとうございます!!」
そして、子どもにもサインを書いた。
辞めてからの方が良いことが増えたな。
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