ドッキリ動画の犠牲になる俺。我慢の限界が来ていた頃に、生配信の強制辞めるドッキリをして来たので、引退を宣言した。

激 辛

第1話

俺はグループで動画配信をしている。

 チームは、幼馴染3人と妹と俺である。


 最初は俺が企画を考えどんどん人気になった。だが、俺が学校も忙しくなり、ネタを考える時間が減ると、いつの間にか、俺のドッキリ企画ばっかりになっていた。

  一応、チャンネル登録者は維持出来ていたのだが、最近は少しずつ視聴率が下がっている。

 だが、俺が新しい企画を提案しても却下され、その日は決まらない、と言うか流されて、朝になったらドッキリの繰り返しだった。

 

 最初は我慢してたけど、限界が来ている。

 昨日もおとといも、流石に俺が意図せず体張りすぎだろ。


 俺は最近、寝れていない。だって毎日朝ドッキリがあるから。

 そして、

 「生配信をご覧の皆さん!今日は朝起きたら!急にあっくんが辞めろ言われたらどうなるか、試してみた!です!」


そして、俺は寝ている所を幼馴染のいっくんに起こされた。

 「起きてるか、あっくん」


「起きてるよ!」


「そうか、今日であっくんは!クビです。チームを辞めてもらいます。」


「分かった!じゃあ俺今月分も貰ったし、俺クビね!今までありがとうね。」


「ちょ、お兄ちゃん!ドッキリだよ!ドッキリ!」

妹のうっちゃんだ


「いやー中々のリアルな感じが出て良いね。」

えっちゃんは満足げだ。ナイスノリ!のような顔をしている。


「ほんとなの、あつく!」

おい!沖奈、本名言うな!


 

「えー、視聴さんは察していると思いましたが、最近は僕のドッキリばかりで限界でした。知っての通り、前まで企画担当は僕でしたが、最近はこんな動画が増えて、そして、今日で限界が来ました。ありがとうございます。」


「おい!あっくんこれドッキリだよ。ドッキリ。」

一輝は汗を垂らしている。


「いっくん、うっちゃん、えっちゃん、おっちゃん。今までありがとう。楽しかったこと、辛いこと沢山あったけど!チームとしてやれて良かったよ。(途中まではな!)そして、視聴者の皆様本当に今までありがとうございました。あっくんはこれにて引退します。ドッキリではありません。」


「おい、あつく!ふざけるなよ」

 いっくんである、一輝は俺に勇ましく言ってくる。


「待って!カメラまだ止めてない。」

そして、おっちゃんである沖奈が素早く止めた。


「悪いけど、本当だよ。俺はもうとっくに限界が来てた。」


「あつく!俺たちもっと高み目指そうって言ったじゃないか」

 一輝は一度冷静になったのか熱血的に訴えてくる。 


「無理に決まってんだろ。こんないつも同じドッキリじゃ。少しずつ視聴率も減っててるし」

 視聴率のあきたコメント見てないのか?


「お前は、そうやって俺達だと無理だからと思ったから辞めたのか!」


「それもあるし、もう一つは理由分かってるだろ。」


「なら、お兄ちゃんがもっと意見を言えば良かったじゃん!!」

 分かってるじゃん妹よ。


「言ったよ。言ったけど、無理だった。」

 いつも同じように流される。そして、もう既に企画が決まってるような感じで既に俺の企画を決める会議ごとドッキリのようなものだった。


「あつく、本当に辞めるの?」


「辞めるよ。もうやらない。」


「そんな、お兄ちゃん!」


お兄ちゃんか…とても最近のドッキリの内容を考える限り、本当に俺のことをお兄ちゃんと思ってるか怪しいぞ。


「俺、叔父さんと叔母さんに相談して、そっちの家で暮らすから、本当はもう少し遅い予定だったけど、今日からにして貰う。」


「うそ!そんなお兄ちゃん!!私から離れないでよ。」


「放置ドッキリや、川に流そうとした奴が言うセリフか!!」

 本当に何回か、○にかけた。


 もう着替えもドッキリされる時に裸とか着崩れしていたら困るから私服のままだ。財布も携帯も中に入ってるし。


「あつく!!俺達の関係は今日で終わりだ。裏切り者は要らない。」

 好都合だな。


「そうか、じゃあな。」

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