『バズりのからくり』/第7回のお題「朝」

「くそつまんない小説が100以上【いいね】ついてるのに、私のは……」

「前作は結構評価高かったでしょ?」

「やっと2桁。渾身の傑作だったのに」

「万人受けしにくいのかもね。解釈に知性を要するというか」

「大勢から評価されたい」

「僕はとても面白いと思っているよ」

「ありがとう」

 僕からの評価だけでは満足できていなさそう。


「朝起きたら世界変わってた!」

 君は嬉しそうだった。

「有名な書評家さんが感想引リツしてくれてバズったの!」

「知性を有した方が、万人向けに仲介してくれたんだね」


 自分で「知性を有した方」と言いたかないけど、内緒だから仕方ない。

だから、僕からの評価だけでも十分だったでしょ?

僕はいつでも君の味方だよ。

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