「毎月300字小説企画」参加作品集
想田翠/140字小説・短編小説
『通う道・通る道』/第4回のお題「靴」
学校指定靴を履くようになってから、規定のルートしか歩かなくなった。
白いスニーカーに靴紐も白。三年生になると靴紐は好きな色でいい、へんてこルール。
まるで大貧民のローカルルールみたい。あ、うちの小学校では大富豪じゃなくそう呼んだ。
どうせゲームなら金持ちの方がいいのに。
小学生の頃は外れちゃいけないルールの通学路をお構いなしで脱線していた。
今は冒険よりも省エネ・時短精神の方が勝る。
「10代からそれじゃ先が思いやられるな」
父さんはそう言うけど、玄関でくたびれた革靴を見ているからそう思うんだよ。
いつか誰かのために休みたくても歩き続けなきゃいけない日々がやってくるんだから、今はいいやってね。
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