その7。「レベル上げの相手と言えば格上だろ?」③
《死亡しました。固有スキル———【死に戻り】が発動します。物理攻撃で死んだため、体力・攻撃・防御・敏捷ステータスが1上昇します。攻撃・防御・敏捷が上限値に達しました》
「ふぅ……ふぅ……」
『よく耐えるなセーヤよ。此処まで耐えた者は存在せぬぞ』
炎竜王の賞賛の声を聞きながら俺はステータスを開く。
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セーヤ・フロント
人間 6歳
レベル:1
《ステータス》
体力:290/290
魔力:230/230
攻撃:99+100
防御:99
敏捷:99
魅力:94(固定)
幸運:91(固定)
《固有スキル》
【死に戻り】
《スキル》
【探検術:Ⅴ】【身体強化:Ⅵ】【付与:Ⅳ】【鑑定:Ⅶ】
《魔法》
【火魔法:Ⅲ】【水魔法:Ⅵ】【風魔法:Ⅴ】
【地魔法:Ⅴ】
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魔法攻撃で死んだ回数———100回。
物理攻撃で死んだ回数———90回。
とうの昔に100回目の死を迎え、ステータスもカンストしてしまった。
しかしその恩恵は絶大。
初めは一瞬で殺されていたが、途中からは攻撃に反応できる様になり、避ける事も反撃する事も出来る様になった。
更には炎竜王の攻撃パターンが大体読めてきたため、先読みで攻撃をする事も出来るように。
ゲームでは基礎ステータスがモノを言うが、この世界では技術力も立ち回りも重要になってくる。
そして今回は俺は無限に体力を回復しているが、途中からちょっとずつだが炎竜王もダメージを受けているため、だいぶ削れているはずだ。
「———そろそろ決着をつけよう!」
『ははははは! それじゃあ最後の戦いと行こうセーヤ!』
炎竜王の肩がぴくりと動く。
その瞬間に俺は風魔法の【風の鎧】と地魔法の【硬化】を使い防御力を上げる。
相手が繰り出すのは鉤爪の横薙ぎ。
俺の敏捷では避ける事は出来ないが、直撃しない様にすることは出来る。
攻撃を受ける直前に攻撃が来る反対側にジャンプし、水魔法の付与された短剣を振り下ろす。
ギィィイイインッッ!!
鉤爪と短剣が火花を散らして激しくぶつかり合う。
しかし俺は空中にいる為、軽く投げ飛ばされてしまうが、空中で【風の加護】と言う魔法を使って停止する。
「———【風水斬】ッッ!!」
俺は短剣に魔法を籠めて斬撃として放出。
更に5回振るって同じ斬撃を繰り出す。
『ははははは! 強くなったなセーヤよ! しかし———』
炎竜王は口を大きく開き、そこに炎の魔力が溜まる。
「グルァアアアア!!」
そして《炎竜王の息吹》が俺に向けて発射された。
その息吹は俺の斬撃に触れると共に大爆発を引き起こす。
《死亡しました》
俺は復活すると同時に爆発で気を取られている炎竜王の懐に入り込み、竜の唯一の弱点である逆鱗に短剣を突き刺す。
「グオォオオオオオ!!」
炎竜王の悲鳴とも呼べる咆哮が俺の鼓膜を軽々と破る。
しかし気にせずに短剣に水魔法を籠めて炎竜王に流し込む!
『ぐっ……痛いぞセーヤ!』
炎竜王が自分の体から強力な炎を噴き出す。
ドカァアアアアアアアンンッッ!!
「ガアアアアア!?!?」
《死亡しました》
俺が復活すると———そこには体内から爆発して首と腹が吹き飛んだ炎竜王の姿があった。
この世界では首などの即死する場所を斬られるとどれだけ体力が残っていても一瞬で死ぬ。
ゲームとは違う所だな。
俺が一応死んだかどうか確認しようとしたその時———
《古代竜の試練をクリアしました。炎竜王フレイヤの分身(レベル100)を討伐しました。クリア報酬として経験値を獲得しました。炎竜王フレイヤを討伐したため経験値を獲得しました。固有スキル———【炎竜王の祝福】を手に入れました》
《レベルアップしました。レベルアップしました。レベルアップしました。レベルアップしました。レベルアップしました。レベルアップしました…………》
「あー精神的に疲れた……少し休み……たい……」
俺はその瞬間に猛烈な眠気とも疲労とも呼べるモノが押し寄せ、一瞬にして意識を失った。
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