第23話 辞典は読み物

先日買った「感情ことば選び辞典」なのですが、とても面白いです。

通院時の待ち時間のような、ほんのちょっとのスキマにちょうど良い。

知っている言葉もあれば、知らない言葉もたくさんあるので、読んでいるとアレコレ妄想もはかどります。


面白いなぁと思うのは、例えば「悔やむ・悔しい」という気持ちひとつでも、意味合いによって言葉が変わってくるのです。

「遺憾」や「悔恨」は良く見聞きするけれど「可惜(あたら)」や「恋々(れんれん)」はなじみがありませんし、「心外」と「痛恨」が横並びになっていることで、気持ちの分類の中では近しいものであると驚いたり。

まったくもって聞いたことのない「ごまめの歯ぎしり」も同じ場所にあるので、ごまめって何?! とウェブ検索を始めたり。

「ごまめ」って、小さなカタクチイワシを素干しにしたモノのことだそうです。煮干しやん、それ。

そして「ごまめ」を調べると「田作(たづくり)」にも辿り着きました。

お正月料理のアレです。祝い肴。

「煮干しの歯ぎしり」でも「イワシの歯ぎしり」でもなく、わざわざ「ごまめの歯ぎしり」になっているのも面白いですが、意味は切ないです。

実力のない者が悔しがったり苛立ったりすることで、そのように悔しがってもほとんど影響を及ぼさないことのたとえ、だそうです。

確かに、煮干しくんが地団太を踏んでも可愛いばかりですが、煮干しくんたちが集団で地団太踏めば、少しは地面も揺れるのでは?! と思ったり。

いや、足はないし、歯ぎしりできるような歯もあるのかも、わからないけど。

由来も古そうなので、突き詰めれば意外な真実がぴょいと出てくるかも?!

本来の意味はともかく、可愛い言葉があるものだなぁ。


辞書は読み物として、とても楽しいです( ̄▽ ̄)







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