第14話 ローズマリー
借家の庭にちょっと大きめの花壇があります。
借家なので犬猫のようなペットを飼うのは契約違反なのですが、お隣さんは猫を飼っています。
飼うのはまぁ好きにしてくれ、とも思うのですが、問題は家猫さんではないこと。
コッソリ飼わずに窓から出入りさせていて、その猫さん、排せつは外ですることに決めているようなのです。
昼間はまだましなのですが、夕方以降に出かけると色々なところでトイレを済ませているのですが、うちの花壇にも来るわけです。
そして、猫の排せつ物の匂いがあると、別の猫もやってくる。
私、猫は好きなのですが、排泄物は嫌いです。
排泄物だけでなく、時々、食べかけの蝙蝠さんの欠片まで残していくので、阿鼻叫喚です。
ペットボトルを並べたり、猫よけのくっさい忌避剤を置いたり、とげとげシートを並べたりしましたが、効果はありません。
くっさい忌避剤は匂ってる期間は効果ありましたが、本当に臭いのでばらまいた私までダメージを受けたので、再びばらまく気にもならない。
除草シートを張ると、シートのある部分は無事ですが、隙間にうまく排泄物を置き去りにされる。
かといって、お隣に文句を言いに行くのもはばかられる。
証拠写真をこちらも撮っているわけでもないし、けっこう図々しい「子供のすることだから」ですませて注意もしないタイプの人なので、証拠写真があっても口だけの「すみませーん」で何も変わらないんですよね。
何なら「うちこのじゃないです」で恨まれて終わりそう。
以前は夏になると花壇にトマトやナスを植えていたのですが、排泄物は汚いので育てるのを辞めました。
肥料として売られているものは大丈夫なのですが、何の対策も取られていない排せつ物に汚染された土だと病気が怖いですから。
困ったなぁと思っていましたが、猫の来ない一画があります。
ローズマリーの周囲には猫が粗相をしません。
純粋にサイズがデカいのと、猫にとっては臭いからでしょうか。謎です。
謎ですが、良いことなので、ローズマリーの周辺だけは安全地帯になっています。
ホームセンターで廃棄寸前の枯れかけで50円ぐらいで買った手のひらに乗るサイズの苗を、隣との境に近い花壇の端っこに植えて10年以上たちました。
枯れずにスクスク育ったローズマリーは、私が二人でやっと抱きかかえられるぐらいのサイズに育ちました。
最初は排泄物の汚染が怖くてポプリにして消臭に使うぐらいでしたが、土も入れ替えたし、除草シートを張って数年経つので料理にも使っています。
ジャーマンポテト風にベーコンとポテトの炒め物に散らしたり、肉を焼くときに香りづけに使っています。
ホットケーキミックスで、スコーン風にチーズと一緒に焼いても美味しかったです。
私はスパイスやハーブの香りが平気なので、けっこう気前よく使うのですが、スーパーで売られているローズマリーを見て、ワンセット3枝ぐらいを198円で売られていたから、使い過ぎには気を付けようと思いました。
そして、うちのローズマリーを売ればいくらになるだろう? なんてことを考えてしましました。
まぁ、売れるほど育ててはいないのですけどね。
ローズマリーは若返りのハーブと呼ばれているので、アンチエイジングを期待していますが、実際のところは美味しければ良しって感じです(オイ
料理上手になった気もしますが、たぶん幻想。
猫よけだけは意外な効果でしたが、生のハーブは香りが鮮やか。
今夜はポークステーキ風に豚肉を焼こうと思います。
夕食ぐらいしかネタがないので許して(笑
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