第13話

タッツー視点


 「ごめんなさいー!!」


  俺は女の子に押し倒されてしまった。


 「いたた」


「あっその、すいません。すいません」


「大丈夫だよ。気にしないで、」


「ああっあ!」


そこには壊れた俺の伊達メガネがあった。


 「メガネが!!すいません!弁償します!」


いいよ、いいよと言いたいところだが安物だし払って貰ったほうが相手も気楽そうだな。


 「じゃあ、300円ね。」


「えっそんな安くないですよね」

 

 「いや、本当だけど。」


「嘘言わないで下さい!!」


「嘘じゃないけどぉー!」


「私、自分のやってしまったことはしっかりとした形をとらない気が済まないのです。」


 「ほらこれだよ。」

  俺は携帯で買った商品を調べる。


 「これ、偽物ですよね。」


なんなんこの子?


 「いや、本物だよ。だから300円でいいって。」


「嘘です!嘘をついてます。」


指で刺された。


 「だって、消費税もあるので、300円で済むわけありません。」


「確かに!!ってそれくらいどうでもいいわ!」


「大事です!」


「わかったなら、もうほら500円でいいから。」

もうしっかりとした値段を言っても、否定されそう。


「それも違います!」


「いや、違うけど!!」


「とりあえず絶対に返しますからね!」


「なにをー!!」


  そうして女の子は走って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る