第304話 人類は麺類~青年は、スパゲティーを目指す。

自由の森でインスタントラーメンを度々食した少年。

だけど、スパゲティーを食事として食べた経験は、あまりなかった。

まったく食べなかったわけじゃない。

食事のおかずの付合せには、比較的よく登場していた。

ナポリタンの装いで。あ、イタリアンとも言ったっけ。

他のおかずより、このスパゲティーが、よかったのよね。

やっぱり、人類は麺類だぜ。


大学に合格した彼は、囚われの場所に三下り半を突き付けた。

そして、かつて自由の森のあった場所の近くに「下宿」した。

そこは文教地区にして学生街。

安くてうまい喫茶店や食堂がたくさんあった。


そして、その中のひとつに、窓ガラスという喫茶店があった。

階段を上った先の2階が、その店。

そこで彼は、必ずと言っていいほどスパゲティーを頼んだ。


イタリアンスパゲティー

ミートスパゲティー


スパゲティーは、この2品のみ。大盛も出来ました。

もちろん彼は、大盛にしました。

そしてたまに、食後にミルクセーキを飲んだことも。


こんなことしていたら、スパゲティーしか食べない青年にされてしまった。

そこのママさんに、ね。

いや、よそではカレーも食べるし酒も飲んでいたのだけどさぁ。

でも、やっぱり、スパゲティーの誘惑には、勝てませんでした。

この店のときだけは、スパゲティー!


その後、大学を出て居酒屋でお会いした時もまた、

あのスパゲティー青年

ということで、しっかり、顔は割れていました。


インスタントラーメンだけじゃ腹いっぱいはちょっと厳しいけど、

あの店のスパゲティーは、どちらも、大盛にすれば腹いっぱいになった。

やっぱりあれは、パスタというよりスパゲティーだったな。

ってか?

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