第7話 暴走する信徒たち
_____俺の名前はガイラ•エリーニュ。
俺は小さい頃から、剣を使って、誰かを助ける人に憧れていた。
そのせいか、俺は幼い頃から剣を使うための特訓をし続けてきた。
それはそのまま"騎士団"に所属するという俺の夢へと直結していくことになる。
俺が20歳の時、騎士団の入団試験が行われた。
俺は剣の腕も自信があったし、何よりも人1倍剣を愛していた自信があった。
俺は自信満々で入団試験に臨んだ。
試験内容は入団試験を受ける者同士で戦い、それを試験官が見て評価をつけるというものだった。
俺は相手との戦いに圧勝した。
しかし、なぜか俺は試験に落ちた。
俺の相手が賄賂を渡したのか、
試験管に気に入られなかったのか、
それは、今ではわからない、いや真実を知るのが怖かったのかもしれない。
俺は絶望し、しばらく何も出来なかった。
というよりも何をするにしても最初に湧く感情が" 怒り"だったから何もしてはいけなかったんだ。
だが、本来の目的、剣で人を救うという夢が俺をまた立ち上がらせてくれたおかげで、俺は自警団に入団した。
それから20年、、、
俺はあの時の屈辱を隠すために死ぬ気で努力をし、今では王都でも有数の剣士になった。
そんなある日、
王都に勇者が召喚された、と話題になった。
"英雄"となった。
俺がなりたかった者に、俺の努力なんて意味なかった、とでもいうかのように簡単になったんだ。
"嫉妬"
どこにぶつけたらいいのかわからない怒りが湧いてくる。
しかし、俺も40歳、、、
俺はこの気持ちを自分の一番深い所にスッとしまった。
自分は人を助けている、俺だって英雄、、、
と心の中で唱え続けた。
しかし、今俺は学園の先生として、罪も何もない純真無垢な子供に手を上げようとしている。
自分は人を助けている。
俺の唯一の心の支えがボロボロ崩れ落ちていく音が鮮明に聞こえた。
強化魔法を使い踏み込んだ足を俺は小僧の目の前で止めた。
「な、なんのつもりだ!」
「気づかせてくれてありがとうよ、俺だって、、、
人並みに感情をぶつけてもいいはずだよな」
俺は勇者の一人がいる方向に向かって全速力で走って向かった。
この行為はただ自分の腹いせ、、、
そんなことは自分が一番わかっている。
"俺は自分を正当化し、
怒りをぶつけるという快感を
得たいだけのクズだ"
でも、俺はなぜかこの気持ちを抑えられない。
もう、、、精神が参ってしまっているのかもしれない。
「早く、終わらせようか」
***
「な、何のつもりだ!」
俺は声を荒げる。
相手が急に何もしなくなったんだ。
しかも、精神がおかしくなっているヤツが。
先生は急に発進したかと思うとどこかに向かって行った。
俺は
(何か、嫌な予感がする。)
先生の目線の先を見ると、ルーグ•ヘリオス(炎の勇者)が突っ立っていた。
ヘリオスが驚いたような、怖がっているような声で言う。
「うん?何か向かって来てる?
お、おい!このじじいぃ!!
何で先公が本気で俺の方に向かってんだよ!」
「ひとまず、お前からだぁ!!」
俺は先生の狂気に満ちた目を見て思った。
(信徒が憎しみ、悲しみ、嫉妬などに駆られて、八つ当たりのように魔女に暴力を振るう、、、これこそが、、、"魔女狩り"なんだ
しかも、恐ろしいのは本人はそれを正当化している所だ。)
「クソッ!来い!
火属性魔法、
ヘリオスは炎の鳥のようなものを召喚し、それにまたがった。
「へ、へへへ!上に来ちゃえばお前はこれないだろ!」
「ふん!あまり俺のことを舐めない方がいいぞぉ!
ガイラは大きくジャンプし、空高く鳥と同じくらいの高さまで舞い上がった。
「はぁ!?ジャンプで届く距離じゃねぇだろぉがよ!!!」
「普通の人間なら、、な!!」
ガイラは鳥に一発蹴りを入れ、蹴落とした。
「クソッ!
火属性魔法、
ヘリオスは炎の渦のようなものを地面に当てて上手く衝撃を緩和した。
***
「くくく、やっと面白いことになり始めたなぁ、、、。
人間の本性が顕著に現れるこのげぇむで何を見せてくれるのか、、、
さて、私は"発動者様"の目的が達成されるのを願って、次のげぇむの準備でもしてましょうかね、、、」
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