第26話 オパール・後編(10月)

 前のエピソードからの続きです。

 ブラックオパール、ボルダーオパール……それ以外のオパールについてお話しようと思います。


【メモ】

〇色んな種類のオパール・続〇


<ライトオパール/ホワイトオパール>

 ライトオパールは、一般的にはホワイトオパールと呼ばれています。これは地の色が乳白色、もしくは白っぽいもののことを指すのですが、書籍によってはこの辺りの見解が違います。


 ライトオパールとホワイトオパールを一括りにしているものもあれば、ライトオパールは透明度の高いオパールのことを指して、「透け感のあるもののことをいう」というものもありました。この辺りは宝石商の方によっても見解が違うかもしれません。


 ライトオパールは19世紀末まではスロバキアで産出していたそうなのですが、1887年にオーストラリアで発見されてからというもの、オーストラリアがオパールの主な産地になっています。 



<メキシコオパール>

 メキシコオパールはその名の通り、メキシコから産出されるオパールのことを指します。

 メキシコオパールには2種類あって、地の色が青系のものを「ウォーターオパール」、赤系のものを「ファイヤーオパール(ファイアオパール)」と呼びます。


 15世紀ころには、アステカ文明の中で装飾具として使われており、16世紀にはスペインの征服者が、ヨーロッパにこれらを広めたのだとか。


 1960年代に日本でも一時期流行したそうなのですが、メキシコオパールはオーストラリア産のものよりもデリケートで、湿度変化に弱いのです。日本は四季があって、夏と冬の湿度差も大きいことから、乾燥してひび割れを起こしてしまうものが沢山あったといわれています。それ以来、コレクターたちのような人たちは集めても、なかなかジュエリーとして楽しむ人たちには広まっていないようです。


 しかしウォーターオパールも、ファイアオパールもとても美しいです。

 透明感のある水色やオレンジ色のオパールの中にきらめく遊色効果は、ダイヤモンドなどとはまた違ったきれいさがあります。



<カンテラオパール>

 メキシコでは母岩のことを「カンテラ」というのですが、それがついているオパールのことを、カンテラオパールといいます。

 メキシコオパールには、ウォーターオパールとファイアオパールがあるので、このカンテラも青系と赤系のもの、ほかには透明感のあるようなものがあります。


 多くの人はこのカンテラを見ると、まるで生き物の卵のようだと思うようです。

 個人的には、鶏の卵を殻ごと酢に沈めたあとの透明感と似ているのと、遊色効果があることで生き物感があるのかなと勝手に思っております(笑)


 でも、この母岩が包み込むオパールは本当に神秘的で、青いものなんかは星がきらめく銀河系を包み込んでいるような感じがしますし、赤いものや透明なものはまるで望遠で見る星の輝きのようにも見えて、本当に面白いです。気になった方は是非、画像検索をしてほしいなと思います。



<プレシャスオパール/コモンオパール>

 遊色効果のあるオパールのことを「プレシャスオパール」といい、ないもののことを「コモンオパール」といいます。

 オパールの大半がコモンオパールで、研磨剤や断熱材に使われますが、ジュエリーにならないわけではありません。ものによってはネックレスになることもあります。


 また「遊色効果のない赤系のオパールのことを『ファイアオパール』という」と書いてある書籍もあったのですが、一方で遊色効果のある赤系のオパールのことも「ファイアオパール」というものもあって、その辺りは認識が曖昧のようです。


 ただ、遊色効果のないファイアオパールとはいっても、その色はきれいなので、カットされて宝石になることもあります。

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