第21話 友達の証
現在、隣の建物でもある
そして理事長が今回実技試験の採点及び指南役として推薦した、
「本当に大丈夫なんですか? 実技試験の採点者が普通の看護師って、採点ミスで単位落としたくないですよー」
そんな中、文句のある生徒に理事長が放ったある一言で実習室が大騒ぎになった。
自分を高く評価し相手を貶す......なってないな。
「何度も言うが大丈夫だ。何故ならこの2人は三年連続
よし、これはしれっと──
『ええぇー!!』
やっぱこうなったか。
こうなるか。
こうなっちゃうよね。
「はーい静かにしろ」
理事長はそう言いながら手を叩く。
まだ少しザワついているがこれからの行動を指するには十分なくらいだ。
「この後は自由に行動し見学する予定だが、くれぐれも迷惑はかけないように。それと11時にここ集合だからな、忘れんなよー」
『はーい』
「それじゃあ解散!」
理事長がそう言った瞬間生徒達は一斉に立ち上がり、勢いよく教室から出ていく。
「そういえばなんで先生方は喋らなかったんですか?」
「理事長先生のほうが生徒達はよく聞くの」
「悲しい現実ですね」
『...はい』
一方その頃、奏汰とるなちゃんはというと──
「るなちゃんはゲームってするの?」
「ちょっと......なら」
「じゃあ今までで1番面白かった本は?」
「今ま...でで......1番...」
るなちゃんは深く考え込む。
「ミシェル......の...旅路...もいい......けど......」
「けど?」
「本...読む......きっかけ...に...なった......
『恋のファンファーレ』...かな」
「恋のファンファーレ?」
「...うん」
恋のファンファーレかぁ、聞いたことないな。
「それってどういう内容なの?」
「うん......簡単......に...言え......ば......恋愛...青春もの。各々...の...目標......を...部活動を...通し......て...叶え...て......いく......物...語」
...ん? 何かおかしいな。でも別に何か変わったことは無いな。......何かおかしいのにな。
「...あっ......ごめ...んね......こうい...うの......好きじゃ...ない...よね......」
「いやいや! お恥ずかしながら...いや恥ずかしくない、何も恥ずかしくないんだけど! ...恋愛ものとか結構好きなんだよね」
「そう...なんだ」
「...うん。退院したら『恋のファンファーレ』読んでみるね」
「うん......分かった......感想...待って...る」
ここで会話は途絶え、少しの間沈黙が続く。
でもこの沈黙は気まずくなくて、むしろ安心するほどだった。
部屋中の空気が穏やかになり、これが友達の証だと証明してくれてるかのようだ。
奏汰が少し笑みを浮かべ、それを見たるなちゃんは少し口角が上がっていた。
そんな楽しいひと時を過ごしていたらドアがノックされた。
「はっ...はーい!」
反射的に僕が応じたらドアが開き、そこには静華さんがいた。
「どうー? るなちゃんの様子は」
「だいぶ楽になったと思いますけど...どう?」
「...楽......結構......落ち着いた」
「なら良かったー!」
「神崎......さん......は?」
心配そうに聞くるなちゃん。
「今は見学に来てる学校の理事長先生とお話中だよ」
「......え」
「なぁーに大丈夫よ! 私も
「良かったね」
「...うん......良かった」
「じゃあ大丈夫そうだし私はこれで。生徒達見ないといけないんだー」
「分かりました、るなちゃんのことは任せてください」
「うん......平気...」
「それじゃあまた来るね!」
そう言い静華さんはドアを開け廊下に出ようとするが、何かを思い出したのか奏汰達の方に振り返る。
「そうそう! 11時から12時の間は見学に来てる生徒達全員教室で実技テストだからその間は安心して部屋から出れるよ! じゃね!」
静華さんはそう言い残して去っていった。
それを聞いた2人は最初こそ戸惑ったが11時を楽しみに待ったという。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがきです。
どうもまどうふです。
ここ最近ありがたいことにたくさんの方に見てもらえてるらしく、嬉しい限りです!
さて、途中で『』が出てきたと思いますが、
作品内の本の題名を『』で
『恋のファンファーレ』
このように表記させていただきます。
他の『』の使い方として、大勢で驚いた声やハモった声などでも表記させていただくことがありますのでよろしくお願いします。
良ければフォローと応援、★のほど、よろしくお願いします!
以上まどうふでした!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます