6日目 心霊スポットに間違えられる



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 いつものようにぺぺは参拝者を見て喜んでいた。


 すると、若い女性がスマホを落としていった。


 ぺぺの中では、『スマホ』という四角い物という認識だ。


 みんな、「スマホ」「スマホ」と言っているので、名前を覚えた。 


 何に使うかは分からない。


 でも人に向けたり、自分に向けたりするものらしい。


 それに、とても大事な物だというのだけは分かる。


 みんな、見あたらないと必死に探しているからだ。



 ぺぺは、『スマホ』へ飛んで行き拾おうとするが、


 重い。相当重い。


 少しは持ち上がるが、持って飛ぶことは出来ない。


 同じぐらいの大きさの『スマホ』だ。ぺぺには相当きつい。


 四苦八苦している間、何か『スマホ』が「カシャ! カシャ!」と鳴っていた。


 不思議に思い、ぺぺは『スマホ』をのぞき込んだりしたが分からなかった。



 そこに『スマホ』を落とした女性が戻って来て、ほっとして拾って行った。


 ぺぺはよかったとほっとする。



 すると、女性が連れの友達の女性に叫んでいた。


 「やだー! みてー! 白い煙っぽい物が映ってる 心霊写真? 妖怪?」



 それ以降、「心霊スポット」という噂が流れ、神社が参拝客が増えたのだった。




 ぺぺは、よく分からないが、



 「人がいっぱい増えたー!」



 と喜んだのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る