例外はない


「お待ちください」

 案内した役人が俺の前に立ちはだかった。国内の遺跡で発見された物を勝手に持ち出されては困るというのだ。


「俺が誰か知っているだろう?」「存じております。しかし例外はありません」

「少し借りるだけだ。用が済んだら返すから」

「調査が終わるまでお待ちください」

 役人はそう言うと、俺が抜いた勇者の剣を抱え遺跡を出て行った。


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