第56話:登場人物やモンスターはテンプレで表現

 ユニークさやオリジナルは作っていて楽しいけど、作家の楽しさは必ずしも読者の楽しさとは同じではないのです。


 たとえばモンスター。

 オリジナルのモンスターを書いたとします。


 <ここから>

 背丈は120cm程度、緑色の萎びた皮膚に所々に服の残骸のようなものがこびりついている。


 吐く息は邪悪な意思を体現するようなせわしなさで、こちらまで臭ってくるようだ。


 それを嗅いだら嫌悪感をもたらすだろうことは容易に想像できる。

 <ここまで>


 大分克明に表しました。

 書いている方は力が入りますね。


 でもWeb作品ではどうでしょう?


『まるでゴブリンだ』


 で、済むのでは?


 テンプレです。

 無理に細部まで描写する必要がないのです。

 ナーロッパ世界の認識は多くの人に通じます。

 中高年層だけだという方もいますが、アニメでゴブリンとか色々なモンスターが出てきますので、若い層にも浸透しています。


 逆に新しいゲームで出てくるモンスター名を出しても、中高年には通じません。

 そこでナーロッパのモンスターを出すのが一番無難です。



 キャラクターも同じです。


『賢者』

『魔法使い』

『戦士』


 だけで大抵


【読者が勝手に脳内補完してくれます】


 どこまでしてくれるかは塩梅ですが、これは有名作を分析するのが一番でしょうね。


 でも


【必要な部分は細部にわたって書く】


 例えば、まにまにには書けないけど、スキルツリーを表現するのは物凄く細かく。

 なぜなら、それを読みたい人が読者として集まってきているからです。


 何事も読者が読みたいものを提供するのがWeb作家としての王道。

 それを外れたかったら、読まれないのを覚悟して書きましょう。


 でも大丈夫。

 上記のような作風を好む読者もそれなりにいますので。

 少ないでしょうけど・・・


 キャラクターですが、かき分けについては後で書こうと思いますが、基本的に髪型と髪の色でかき分けするのが一番。


 悪役令嬢ゲーム世界ものでは、大抵スパダリ?王子は金髪。知性派?クール宰相令息は青。こじらせ系は緑。やんちゃな粗暴騎士団団長の息子は赤。あとなんだっけ?


 こんな感じでテンプレができていますので、これを外すと相当混乱すると思います。


 わざとミスディレクションを起こさせるのも手ですが。

 金髪王子が実はやんちゃ肉体派。

 赤い髪の毛のやんちゃ系が実は陰謀の黒幕とかww


 まったく似合いませんよね。

 でもそれをひた隠しにしていたけど主人公に見破られて、ストーリーが展開する。

 これはこれで面白いかと。


 ◇◇◇◇


 登場人物が多すぎるのは初心者はやらない方がいいと思います。

 たとえばクラス転移もの。


 先に書いた様に『キャラのかき分け』自体が難しいし、そのキャラをなぜ配置したのかがいまいち意義が薄れる。


 多すぎると読者の認知が追いつかないのです。

 首取り物語に書き込まれたコメント

「人数多すぎて目が回る」


 これは三人称で通したのと、その三人称が多数に上ったせいでもありますが、これを解消するには既知のキャラにかぶせるしかない。


 例として上杉謙信、武田信玄、織田信長。

 これなら三人称でも大分楽です。

 他のジャンルではあまりできそうにないけど、一般読者でも知っていそうなキャラならかぶせられそう。


 個人名を出すと書籍化など諦めるしかないと思いますが。

 AI聖女さんや銀髪ハケン幼女とか首取り物語、さらにはヲタク光秀も、そういう意味で最初から書籍化は念頭に置いていません。

 だからパロディをガンガン出しています。



 それから第1話は登場人物を少なめに。


 統計を取った数は少ないのですが、ランキングの上位作品の第1話で出てくるキャラは少ない程★を集めやすいと、まにまには結論を出しています。


 精々3人程度にしないと、読者は認識し辛くなるのでは?

 中学生も読むのですから、その程度が妥当かと。



 もうちょっと書く予定でしたが肩が痛くなったのでここまで。



 ではまた。

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