第54話 思い込み
今日はニューヨークから12歳の従兄弟が来ている。去年来た時に挨拶しないわ、暇暇うるさいわ、やったことないことはやらないわ、弟に冷たいわ、私のことをなめてるわで本当にクソガキだと思った。だから今日も憂鬱で仕方なく、兄ちゃんの言うことなら聞くのではと思い、(道連れがほしかったのもあり)、青にヘルプを要請した。しかし青は何を意図したのか断った。
私は人を悪とする考え方が好きじゃない。物事には善悪はあるが、どんな人だって起こすし、どんな人だって叱られたり、罰を受けるべきだと思う。
そしてその悪を引きずるべきじゃない。
従兄弟は挨拶をきっちりとし、落ち着きが前よりはあり、弟に優しく、私の言うことをしっかり聞いた。
たぶん去年はまだ日本語が不自由で、上手く伝えられないストレスがあったんだと思う。そもそもこの子は親の都合で毎年1、2ヶ月ほど日本に連れてこられ、文化の違う家に1人で預けられているのだ。
私は青にヘルプを要請したLINEの文面の相手に対する思い込みや、自分勝手な苛立ちに深く反省した。青はこれらを全て見透かしていたのかもしれないと思うと恥ずかしかったり、不安になったりした。
…おおよそ猛暑の中外に出るのが嫌だったのだろう。おっとこれも思い込みかな?
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