第3話 赤いー

ー赤1-



割りのいいアルバイトだと思い飛びついた。



さほど有名でもないが、一応は美大。

当時は油絵を描くか、それ以外か・・・

いや、他にもあったかも知れないが覚えていない。




彼ー

すでに高齢とも呼べる年齢になる彼は

遠い日を想い起こして重い口を開いた。



その美大が現存するか定かではない。


何年生だったろうか。

2年か、3年か。

そのくらいだった気がする。


夏だったのだけは覚えていた。

酷く暑い夏だった。

そう夏休みだ。


それ以上ないほど

暑い夏。


忘れられない夏の日。










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