ー4- シ片




声を出すと死ぬ。



ずっと

思ってい た。




真っ暗な

家の中。


息を潜める。


音が聞こえ たら。

黒い

影  が

 聴こえたら。





ガタッ。


ガタ、

  ガタ、

・・ ・バン・・・   




ある時。


大人がやってきた。

手に

何かを握ってる。




子供。

非力。





いたい。

いたい。



音は

聞こえ た   ら



いたい

いたい。




影が見ている。


初めて影が動くのが

見えた。


動いてる影。


今日は

目玉が大きく見える。





振り上げる。


いた い。



目玉が見ている。



振り下ろす。


い たい。




口の中が

生暖かい

甘い味でいっぱいになる。




前歯 どこ?





喉が乾いていたんだ。

口いっぱいの

暖かい甘いものは

ウマイ。





ウマイ。


いたくない。





まだ目玉が見ている。



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「なんで死なないんだ・・・」


「聞いてた話と違うじゃないか!」


「そろそろ取らないと。

 やり方は 合ってるはずだ」


「急がないと・・・」




---------------------------------------



「ハイ!キミ!

今日の調子は どうだい?」




ヒーローの声。

ボクのヒーローの声がする。



目を開けようとしたのに

開かなくて。



ヒーローの声がする時は

大人も

大人と一緒に来る黒い影もいない。


目玉も来ない。




ヒーローの声が聞こえたら


いたい


ならない。


大好き。






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