ー6- 見
遊歩道から離れて、
森がある。
山を這うように木々が流れ生える。
上から下。
木々の
山の、
崖岩の道を
ある場所に出るのだという。
人が
動物すら目にすることは
崖岩に
無理やり足を
置ける場所がある程度。
右足を置くと
左足が置けない。
右に断崖。
左側を
擦り付けるように歩く。
崖が
半ば森に飲み込まれている。
過去にも
ここを歩いた人すら数える程に。
どこまで続いているのか、
終着地がどこにあるのか、
答えを聞いたことはない。
森に
山に
喰われかけた。
誰も足を踏み入れない断崖。
近づいたことのある人は言うのだ。
「何か視線を感じる」
断崖を這う形で上から下へと
伸びる木々。
森。
そこから何かが見ているのだと。
視線を巡らせても
崖と森しかない。
それでも何かが見ている。
上の方が木々が深い。
その奥から何かが見ている。
深い木々の、
さらに奥の
森の奥の。
目玉がこっちを見ている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます