ー3ノ1ー
その夜。
武家屋敷に泊まることになった。
コワイ。
コワイコワイ。
「夜中に絶対に起きるなよ」
そう言う彼の目。
真剣さを通り越して怖い。
コワイ。
コワイ。
引き寄せられた「切腹の間」
コワイ。
一人だったら
どうなっていたことか。
コワイ。
囲炉裏があった。
古いものに違いない。
なのに。
妙にキレイで。
普段なら
純粋に喜んだかも知れない。
修繕してはイケナイ。
掃除もなにもしていない。
そう聞いたのだ。
人も住んではイケナイ。
近づくコトもなかっただろう。
キレイは訳はない・・・
キレイであってはイケナイモノ。
囲炉裏に布団を敷いた。
「夜中に絶対に起きるなよ」
彼の言葉には素直に従うが、
起きるよりも眠れる自信がない。
寝る前。
深酒。
彼が
どこからか持ってきた一升瓶。
あまり飲み慣れてはいない。
だが。
「いい酒だ。ウマイぞ」
そう言われたが
味は判らなかった。
怖さ、よりも
二日酔いを選んだ。
底冷えするような怖さから
逃げたい。
潰れるまで飲んだ。
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