踏み止まる
遠くに行きたくて運転をしていたら、いつの間にか助手席に誰か座っていた。
「お前もうちょっと走る?」
「まあ……」
「やめときな〜」
楽になれんから、と顔中血塗れの幽霊は消えていった。残されたのは、崖っぷちにある車とそれを運転している私。
「……一旦戻るか」
私は車をバックさせた。
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