第40話 白雪の料理教室

「白雪ちゃん!私に料理を教えてください!」

「それは良いですがどうして突然?以前までは全く興味も無かったと思っていましたが・・・。」

「それはそうなんだけど・・・。白雪ちゃんは嫁力が高いじゃない?高校に入ったら給食は無いから白金君にお弁当を作るよね?」

「勿論です。彼の体は私が管理していつまでも健康でいてもらうつもりですから。」

「発言が重いよ白雪ちゃん・・・。まぁうんそれは一旦置いておいて家はママに弁当を作ってもらう予定だったんだけど秋也くんはパンか学食になるって言ってたんだよ。だから私が料理を練習して彼にお弁当を作ってあげたいの!」

「なるほど。しかし今日は鍋ですし教えることがありませんね。今日出来ることといえば具材の切り方くらいなので今日はそれで我慢してください。」

「わかった・・・」

「料理は繰り返しと最初はレシピ通りに作るくらいしか上達の道はありません。颯君に頼んで残りの春休み一週間はここで料理教室を開きましょうか。」

「いいの!?」

「颯君の許可が取れるかは分からないですけどね・・・。正直彼はあなたと若干距離を取ってますし私に優しくしてくれる理由を私自身分かっていないので頼み方のアドバイスも出来ません。だからとりあえず私がメッセージで夜に確認を取ります。無理だったら諦めてください。」

「わかった!」

「では包丁の使い方と具材の切り方をレクチャーするので一緒にやりましょう。」


そうして始まった料理教室が苦難の一週間になり、その後も事あるごとに開催を頼まれて自分が苦労することになることを今の私はまだ知らない。

因みに料理教室の許可は私がやりたいならやっていいよとの返答だった。

颯君、好き。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る