5話 トラップラー砦の攻防戦

 魔王国に向かうための第二の関所、ここにアンドレ魔王は、罠を張り巡らせた砦としてトラップラー砦を建設した。この世界では新しいが現代では古典的な落とし穴、その先に針山、弓が射出されるなど砦内にも徹底的に罠を敷き詰めたこの砦を守る将は、ワナハリーという。預けられた兵数は5万、攻め寄せる魔頂村軍は50万、ギリギリ防衛側有利と言える数値である。前回同様に土竜攻めを敢行したところ、針山らしいものにあたり傷を負った魔物たち。ここで攻める魔頂軍の兵数の内訳を紹介しよう。クレオお手製人形部隊1万。クレオ従魔軍15万。ダスティルのオーク騎馬隊10万。シュテンが率いるオーガ軍5万。シーザー率いるリザードマン重装歩兵団5万。サモン率いるアンデット軍団5万。ロッキー率いるクレオ近衛兵団が4万。ハピネス率いるハーピー輸送団5000。フレイム率いるボム魔法団1万。アラン率いるコボルト偵察部隊1万。ゴブリット率いるゴブリン軽装歩兵団1万。クレオの妻とリンが率いるエルフ弓兵団1万。メデイア率いるスライム魔術師団5000である。このうちのクレオ従魔軍から怪我人が1万出た。

「ここも土竜攻めと考えたがすんなりとはいかぬものだな」

「玲王様、申し訳ありません。針山などそのまま突撃させても良かったのですが」

「馬鹿なことを言うな。お前たちの眷属なら俺にとっては可愛い孫みたいな者だ。怪我をした者は後方に下げてミミに癒してもらえ」

「了解しました」

「そんなに項垂れるなリリ。よくやってくれた」

「クゥーン」

「ヨシヨシ。シーザー正攻法で突破するぞ」

「心得ました。おい俺たちの練習の成果を見せる時だスクラムを組んで盾を構えてそのまま城門に体当たりだ」

「オオオオオ」

 シーザーが体当たりをすると城門はまるで防衛されていないかのように簡単に開いたのである。拍子抜けする面々を前にクレオは『やられた』とこぼす。そう、クレオたちが中に入ると城門は閉じられた。そして、響き渡る声でアナウンスが流れる。

「えー反逆者諸君。このトラップラー砦の責任者を務めているワナハリーだ。階級は将軍だ。まさかイツコブ砦をあんなに簡単に突破してくるとは思わなかったがこのトラップラー砦は簡単にはいかぬぞ。時間を稼げと命じられておるのでな。この死のアトラクションを思う存分楽しんでくれたまえ。ワーッハッハッハッ。その城門はこちらで操作しているのでな。お前たちはこの迷宮を解かなければ外に残った面々と再会することはできぬのだ。せいぜい俺を楽しませてくれ」

 成程、要は今流行りの脱出ゲームということか。それも間違えれば死が付きまとう。面白い。楽しませてもらおうじゃないか。

「クレオ様、巻き込んでしまい申し訳ありませぬ」

「シーザー気にするな。外の奴らと合流するためこの砦から何としても脱出するぞ」

「はっ御身は必ずこのシーザーが御守りいたします」

「あぁ、頼りにしている。まずは並べ替えみたいだな」

 次の言葉を並び替えよ。『せ・く・か・ふ・い・せ・い』ヒントは魔王様の目指していることだよーん。

「ふざけてる。答えは世界征服だ」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴと音がすると道が開けた。

「流石、流石。反逆者諸君でもそれぐらいは知ってたか。それともヒントを与えすぎたかな。まぁ、良いよ。順調に時間を稼げてるからねぇ。次も頑張ってよ。ヒッヒッヒ」

「気持ち悪いやつだ。笑い方をコロコロと変えやがって」

「クレオ様、焦りは禁物ですぞ」

「あぁ、すまないシーザー。次に行くとしよう」

「はっ」

 開けた空間を抜けると赤いシートにマル。青いシートにバツと書かれたのが現れる。

「次はマルバツクイズってか」

 そして今度は甲高い女性の声が響き渡る。

「あらーもうここまでやってきましたのね。ここは魔王様を讃えるマルバツクイズとなってまーす。それでは第一問、魔王アンドレ様の丞相を務めているのはドラゴレアムである。マルかバツ。どーっちだ」

「バツだ」

「何〜アタシ聞こえなーい」

 赤か青に乗れということかめんどくさいが従うしかないな。クレオは青のシートに乗る。

「ピンポンピンポン。だーいせいかーい。ドラゴレアムのクソ野郎はアンドレ様が殺してくれました。流石アンドレ様よね。現丞相はドラムス様。賢くてカッコいいアンドレ様の右腕なのよ」

「貴様のつまらん解説などでクレオ様の手を煩わせるな。とっとと次の問題を出せ」

「イヤーん、お隣のリザードマン超こわ〜い。後でワナハリー様に慰めてもらわなきゃ」

「とっとと次の問題を出せと言ったのが聞こえなかったのか」

「はいはい。わかりましたよーっと。第二問、アンドレ様が0歳で言葉を話されたのはある薬を飲んだからである。この薬の正式名称は、ビッグバンバンである」

「はっ、あの薬に正式名称があるのか?」

「あるわよー」

「シーザーわかるか?」

「クレオ様、皆目検討が付きませぬ」

「クソっさっきバツだったからマルか。いやいやまたバツかもしれん」

「えーこんな魔王国での常識問題もわかんないとかウケるんですけどプププ」

 第二問で悩み続けるクレオであった。

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