第2話 魔族にお灸を据える

【クレオ視点】


フルーツトレントとベジタブルドリアードを保護して5日目、本当に野菜と果物が実っていた(笑)


フルーツトレント、ベジタブルドリアードでは言いにくいので代表に名前をつけて代わりしてもらうことにした。


フルーツトレントの代表はフルート、ベジタブルドリアードの代表はベジタリアだ。


そうわかりやすいように呼称を短縮しただけ(笑)


何はともあれ来てくれて初めての収穫、フルートたちからはブドウ、モモ、ミカン、カキ、パイナップル、マンゴー、ナシ、リンゴ、レモン、バナナがそれぞれ20個。


ベジタリアたちからはニンジン、キャベツ、ダイコン、タマネギ、ジャガイモ、ナス、トマト、メロン、スイカ、イチゴがそれぞれ20個。


この世界になくて現実世界にあるものでも僕の想像を読み取って実らせることができるらしいなんて優秀なんだ(笑)


その結果がスイカやメロンにパイナップルやマンゴーである。


食べてみたらうんうん現実世界で慣れ親しんだ味だ。


そんなこんなで収穫も終わる頃にそいつらはやってきた。


「おいトレント共にドリアード共、作物の徴収に来てやったぞケケケ」


「出すものださねぇとどうなるか分かってんだろうなケケケ」


「早く差し出せケケケ」


コイツら悪戯好きで有名なインプだ。


数連れてきたみたいだがせいぜい10ほど。


「騒がしいですが僕の街に何か御用ですか?インプの皆様」


「ケケケ、何だよお前、お前に用はねぇ俺たちが用があるのはそこのトレント共とドリアード共だ」


「ケケケ、わかったら邪魔しねぇこった」


「ケケケ、街ってどこのことだよこの焼け野原のことか」


「はぁ〜そうですか。うちの街の住人に手を出そうというのならば僕も黙っていませんよ。あなた方はどうやらお客様では無いようだ。死ぬ覚悟はできましたか?クソインプ共」


「ケケケ、やるってのかやってやるよ」


「ケケケ、この数相手に何ができるってんだ」


「ケケケ、馬鹿なやつだ死ねぇ」


「言いたいことはそれだけか?ならとっとと終わらせるとしよう。ストーンバンブー」


地面から現れる無数の土の槍がインプ共を突き刺していく。


「あぎゃー」「ピギャー」「プギャー」「ぎゃー」


そう言い次々と絶命していくインプ共をみながら僕は呟く。


「喧嘩するなら相手の力量を見極めてからするんだな。まぁ無理か所詮突撃することしか教えられてねぇ下級魔族だもんな」


「俺たちにこんなことしてタダで済むと思うなよ。必ずドラゴレアム丞相様が、、、」


おいおいまたドラゴレアム関連かよ、なるほどフルーツトレントやベジタブルドリアードが作るものは美味しい。


事実食べたところとても美味しかった。


この世界で手に入れた野菜と食べ比べたところ圧倒的だった。


それが魔族領で出回っていなかったってことは誰かが独占していたそれがドラゴレアムってことだろう。


元々フルーツトレントやベジタブルドリアードはエルフ領に多く居る魔物でありエルフと共存関係にある。


それがここに数匹居るってこと自体がおかしい話なのだそもそも。


彼らも虐げられる側で隙を見て逃げてきたって事だ。


こんなに美味しい作物を広く知らしめないのは勿体無い。


今後の相互取引にも使える後はこの住人たちを僕が匿ったことがドラゴレアムに知られるのを避けないとだな。


「助かりましたぞクレオ様」

「助かりましたわクレオ様」


「フルートやベジタリアはもう僕の大切な住人だもの精一杯守るよ。でも今後もあんな感じで君たちを狙ってくる魔族がいるかもしれない」


「ふむぅこのままではクレオ様に迷惑をかけてしまいますなぁ」

「それは困りましたわ」


「そこで提案なんだが君たちに透過のスキルを覚えてもらおうと思う」


「透過?」

「透過?」


「あぁ吸血鬼御用達のスキルで姿を透明にできるんだ。これなら作物が実る時だけ地下に降りて収穫したのち戻るを繰り返し身の安全もある程度保証できる」


「それは是非とも会得したいスキルですなぁ」

「えぇそうね」


「簡単だよ存在感を完全に消す事で認識されなくなるって単純なスキルだからね」


「ほぅ」

「なるほど」


この日からフルートたちとベジタリアたちは透過のスキルを会得するために徹底的に存在感を消す練習をした。


その甲斐もあり1週間も経たぬうちに僕ですら認識できないほどになった。


「これならもう大丈夫だよ」


「このスキル消耗も少ないので問題なくフル稼働できますじゃ」

「えぇほんとこんなスキルがあったなんてクレオ様々ね」


「みんなが頑張ったからだよ」


「ワシらの努力まで見ていてくださる良い領主様じゃ」

「ずっとここで作物作るからまだ見ぬ新しい作物のことまた教えてね」


「あぁ、これからもよろしくね」


作物の問題は解決できた。


アリッサたちにもここに配属された日にその事を伝える旨とそれぞれの家についての希望を教えて欲しいとの手紙を書いた。


返事の手紙を届けにきてくれたのはお父様の従魔であるバットンだ。


返事の手紙をみながら僕はこの2週間家の建設を頑張った。


「玲王様だ〜」「やっと玲王様に会えたメェー」「玲王様お久しぶりですモー」「玲王様コケー」


僕のことを玲王様と呼ぶこの声はきっとまたあの展開だ。

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